●子供に「お前はバカ」と言ってはいけない理由! | ◆「生まれてきてよかった」そんな実感を持てる子に育てるヒント!◆

◆「生まれてきてよかった」そんな実感を持てる子に育てるヒント!◆

勉強だけできても意味はない!

学習のコツや勉強する意味を一緒に考えると共に

勇気づけでお子さんの健全な心も育ててあげませんか?

仕事の関係で、たくさんの家庭を訪問したことがあります。


その際に「それはまずいでしょ!」という対応を何度も見聞きしました。


例えば、ある家庭では、お母さんが頭ごなしに、「この子はダメなんだから」と私の前でどなるのです。


その子は中3の女の子。


その子の印象は、卑屈になっていてもう少し素直になればいいのにと感じさせる子でした。


「きっと、同じようなことをいつも言われているんだろうな」


そう思って同情を覚えたほど。


また、別の家庭では・・・


おばあちゃんが中2のお孫さんに対して強い口調で言いました。


「この子は成績も悪いし、ハキハキしないでバカなんだから」


実は、「この子はダメ」、「この子はバカ」などの表現は禁句です。


なぜかというと・・・


それは子どもの自己認識を低める可能性があるからです。


自己認識?


それを説明するために、次のような絵を紙に書いて説明していました。


◆「生まれてきてよかった」そんな実感を持てる子に育てるヒント!◆-ニューロロジカル

ニューロロジカルレベル (ロバート・ディルツ)



人の意識はこのように階層構造になっているというのです。


それをご理解いただくために、つぎの5つの表現を周りの人に言ってもらうとわかりやすいと思います。


そのときに、どの表現が一番うれしく思うでしょうか?


①あなたのおかれている環境は素晴らしいですね。(環境)


②あなたの行動は素晴らしいですね。(行動)


③あなたの能力は素晴らしいですね。(能力)


④あなたのその考え方は素晴らしいですね。(信念・価値観)


⑤あなたは本当に素晴らしい存在だ!(自己認識)


いかがでしょう? どの表現が一番グッときますか?


少なくとも①のように環境をほめられてもあまりうれしくないのでは?


それに対して、⑤に向かっていくにつれ、うれしさは大きくなっていくのではないかと思うのですがいかがですか?


それはおそらく①から⑤に進むにつれて、含み具合が大きくなるからだと思います。


①の環境はその人のほんの一部分を表すだけですが、⑤の自己認識はその人全体を表します。


このように自己認識(アイデンティティ)をほめることは、その人全体をほめることになるわけです。


ということは、その逆もしかり!


「あなたの環境はダメ」と言われても、そんなにダメージはないですね。


「あなたの行動はダメ」


いかがでしょう? そんなにグサっとこないのではないでしょうか?


でも、「あなたは本当にダメ!」。


こう言われると、かなり、嫌な気分になりませんか?


このように自己認識の部分を否定されると、人格全体を否定されたと認識されて嫌な気分になるわけです。


アドラー心理学の講座に参加して、「子どもの人格と行動を分けて考える」ことを学びましたが、それは、まさしくこのことを意味しているわけです。


それで、気をつけていただければと思うのですが・・・


直接的に「あなたはダメ」ということはないとして、他のお母さんの手前、謙遜のつもりで「うちの子はだらしがなくてダメなんです」とかいうことはないでしょうか?


それは、結構これは子供にダメージを与えるようです。


謙遜のつもりでも、子どもの自己認識の部分を否定しないことは大切です。



そして、どうしても叱ってしまいそうな時には、少なくとも「人格と行動を分けて考える」ことを意識されることは重要でしょう。