お子さんは、家の手伝いをすることはありますか?
それは、とても大事なことだと思います。
なぜなら、家の中で手伝いをして、家族に貢献することによって、自分は「人々の役にたつ存在だ」と感じることが出来る基礎を据えるからです。
その感覚を持つことは、幸せに生きるための土台だったりします。
その意味で、お子さんには、どんどん家の手伝いをしてもらうのは良いことですね。
では、それに対して、
「家族の役にたったのだから、お小遣いをあげないと」
と思って、お小遣いをあげるのは、良いこと?
それとも悪いこと?
良いとか悪いとか、善悪で物事は判断できないと思いますが、家の手伝いをすることで、お小遣い、つまり、報酬をあげることは問題がありそうです。
なぜかというと・・・
そうすることによって、内発的な動機づけを失わせるからです。
もっと簡単に言うと、目の前にぶら下げられたニンジン(外発的な動機)で人を動かそうとしても、それによって、かえって、自らやりたいという意欲を失わせるようです。
結局、子どもが手伝いをするのは、それをすることによって、家族に貢献し、家族に所属しているという感覚を持つことが大事なんだろうと思います。
しかし、嫌々やっていたり、報酬欲しさに手伝いをやっていたのでは、それを実感することがありません。
しかも、物でつって手伝いさせようとすると、子どもは報酬欲しさ(外発的な動機)で、手伝いをするようになり、報酬がなくなると手伝いをしなくなるなど、内発的な動機を失います。
だからこそ、ニンジンでつって、手伝いをさせようとするのは大きな問題をはらんでいるのだと思います。
それは、手伝いだけでなく、100点取ったらお小遣いをあげるとか、いい子にしていたら、今度、どこどこに連れて行ってあげるというパターンの多くに当てはまります。
それに関しては、多くの実験によって観察されているようで、目の前のニンジンなどの報酬は、確かに自発性を失わせ、やる気を失わせることが実証されています。
ここで一つの実例を!
以前にも書いたことがありますが、私は双子で、双子の片割れが、中学の時に親とある約束をしました。
茨城県では実力テストの代わりとして、年に数回、教研テストというものが行われていたのです。
その約束とは、それで400点以上を取ったら、1万円をあげるというもの。
約束をしてからというもの、双子の片割れ(兄)は、勉強の毎日。
彼は、その当時、250点前後をさまよっていました。
しかし、1万円のために、彼は努力をしたのです。
そしてなんと、試験が済んで、結果が出ると、・・・
何と点数が400点を超えているではありませんか。
当然のことながら、1万円をゲット。
私も、はたで見ていて、すごいと思いました。
しかし・・・
その調子で、片割れ(兄)は勉強にまい進するかと思いきや、もう、勉強することはありませんでした。
そして次のテストでは、元の点数に戻ってしまったのです。
1万円をゲットして、気が緩んだのでしょうね。
そして報酬が内発的な動機を削いだ!
身内の話しを暴露してしまいましたが、このことからもニンジンの問題点がおわかりになったでしょうか?
目の前のニンジンに対して人は、努力をするかもしれませんが、それは長くは続きません。
報酬で子どもをつるのは、かえって子どものやる気を削いでしまい、得策とは言えないようです。
人は馬とは違います。
だからこそ、内発的な動機を高めてあげるような取り組みが必要なのかもしれません。
では、どうしたらいい?
先日、ある本を購入し、昨日、読み終えました。
その本の内容は、まさに、その点に関るもの。
とってもおもしろい本でした。
今度、紹介したいと思います。