以前に書いた記事を加筆、修正して今回、記事にしました。
さて、友人が、小学生の時、弟とバスである場所に行かなくてはならなくなったんだそうです。
しかし、お金がない!
でも、どうしてもそこに行かないといけない!
友人はどうしたと思いますか?
ちなみに知り合いのお父さんは、ジャズのピアニストですが、いろんな関係で、子どもの頃、貧しかったそうです。
そんな状況の中、お金がないのに目的地にいかねばならない!
彼はどうしたでしょう?
お金がないので諦めた?
いいえ、彼は目的地にバスでたどり着いたのです。
どうしたかというと・・・
近くを回って、空き瓶を何本も見つけて、それをお金に変えたんだそうです。そのお金でバスに乗り、目的地に着いたのです。
彼は、知恵を働かせると共に行動に移しました。
では、同じような状況で、お子さんは、目的地にたどり着くことができるでしょうか?
多分、わたしも小学生の時には、きっとそんなことできなかったと思います!
友人は貧しい環境から、知恵を学んだのでしょう。
いまでも彼と話をしていると、たくましさを感じます。
では、彼の家がお金もちで、何不自由なく暮らしていたとしたら?
きっとそんなことはできなかったに違いありません。
現在、日本を含め先進国と言われる国々では、豊かになった故の問題が生じています。
昨日の記事でも、野田俊作さんの話を紹介しましたが、野田さんもまさに豊かさが、アナーキー(イズム)育児を生じさせている可能性について話していました。
そう考えると、子どもを自分で考え、自立した人に育てるためには、あえて足りない環境を作る必要があるのかもしれません。
ところで、なんとそれを実践された方がいます。
三谷宏治さんという方です。
三谷さんは、「お手伝い至上主義でいこう!」という本を書かれていて、勉強ではなく、お手伝いを最優先させること、そして貧乏とヒマが子どもを成長させると主張し、実際に3人の娘さんたちを育てた経験を本に書かれています。
ちなみに、その本の副題は、「子どもの就職力を高める『ヒマ・ビンボー・オテツダイ』習慣」。
ヒマ・ビンボー・オテツダイが、子どもの就職力を高めるんですって!
この本の著者、三谷さんは、どんな人かというと東大卒の有能なコンサルタント。
収入もかなりのものがあるはず。
しかし、あえて足りない環境を作ったんだそうです。
例えば、三谷家でお小遣いは、小3まで無給、小4から月400円、小6で月600円、中1で月1000円だそうです。
三谷さん曰く、
貧乏は「意欲」を高め、「工夫」を生む。
そして「交渉力」や「コミュニケーション力」を鍛えることができると主張します。
また、三谷さんはヒマが発想を生み、自律を促すと書いています。
実際に娘さんたちのコメントが随所に見られるのですが、それは三谷さんの主張を裏書きしています。
さてヒマ、貧乏と共に強調されたのがお手伝い。
では、お手伝いが強調されると、勉強に差し支えるんじゃないかと思うかもしれません。
その点については長女の方のコメントがおもしろい!
あまりにお手伝いしろってばっかり言われるから、くそって思って勉強してた。他の親たちは「勉強しろ」って言いまくってる、って友達からは聞いていた。でも「勉強しなくていいよ」って言われて、で勉強しませんでした、というのはつまらない。
言われなくてもやってやる、「お手伝い至上主義」なんかに負けるもんか!という反骨心だったかな。
「勉強しなさい」と言われたら、反発して勉強するのが嫌と思うかもしれませんが、お手伝い至上主義にして「勉強しなくていいよ」というと子どもは勉強してしまう。
逆説的でおもしろいですね。
そして、娘さんたちのコメントを読んでいて、とても、しっかりした娘さんであることが伝わってきます。ヒマ、ビンボー、お手伝いが、人としての土台を据えたのでしょうね。
ちなみにこの本の著者の対談が、プレジデントファミリーのHPに掲載されていましたので、最後に、それを紹介して記事を終わりにいたします。