●“当たり前”に気づいてる? | ◆「生まれてきてよかった」そんな実感を持てる子に育てるヒント!◆

◆「生まれてきてよかった」そんな実感を持てる子に育てるヒント!◆

勉強だけできても意味はない!

学習のコツや勉強する意味を一緒に考えると共に

勇気づけでお子さんの健全な心も育ててあげませんか?

昨日は、知り合いたちと車で那須に行きました。


その中に、ご主人の関係でドイツやアメリカなどに住んでいたという人がいて、いろいろ話を聞いたのです。


その方には、3人のお子さんがいて、3人ともすでに成人し仕事を持っています。その中の真ん中の子が、小学生の時のこと、アメリカのリトルリーグで野球をしていたらしい。


ご存知の方もいらっしゃると思いますが、アメリカ人のコーチは、褒め上手なんだそうです。


「そのスイング、いいね~」「君は天才か!」「ナイスバッティング」


それに加えて、試合で息子君がヒットを打ったりすると、相手チームのお母さんたちも「ナイスヒット~!」と声援を送ってくれるんだとか。


そんな環境のもとで野球を楽しみ、その後日本に帰ってきたのですが、そんな体験をしていた息子君、日本でもリトルリーグに入りたいと思った。しかし、すぐに嫌になってしまったようです!


なぜ? 知り合い曰く、


「日本のコーチは、できていないところを見つけて叱ってばかりで、アメリカとは違うので嫌になったみたい」


文化の違いもあると思いますが、やっぱりそれでは子どもを本当の意味で育てることはできないかもしれませんね。日本の子どもたちの自己肯定感が低い一因も、その辺が関係している可能性もあります。


やはり、子どもに関わる人は、子どもの良い点を見つけてそれを認めてあげる必要があると思います。それに加えて、当たり前と思える点にも注目し、フィードバックしてあげる。


いわゆる、勇気づけです。


とはいえ“当たり前”なことには、なかなか気付けないもの! その点で、昨日の双子の美容師ゆうさんのメルマガに紹介されていた次の話は、示唆に富んでいます。


「乞食の天使」


いつもよく働く靴屋のもとへ、あるとき、天使が現れました。

乞食の姿になって・・・。

靴屋は乞食の姿を見ると、うんざりしたように言いました。


「おまえが何をしにきたかわかるさ。しかしね、私は朝から晩まで働いているのに、家族を養っていく金にも困っている身分だ。ワシは何も持ってないよ。ワシの持っているものは二束三文のガラクタばかりだ」

そして、嘆くように、こうつぶやくのでした。


「みんなそうだ、こんなワシに何かをくれ、くれと言う。そして、いままで、ワシに何かをくれた人など、いやしない・・・」

乞食は、その言葉を聞くと答えました。


「じゃあ、私があなたに何かをあげましょう。お金にこまっているのならお金をあげましょうか。いくらほしいのですか。言ってください」

靴屋は、面白いジョークだと思い、笑って答えました。


「ああ、そうだね。じゃ、百万円くれるかい」


「そうですか、では、百万円差し上げましょう。ただし、条件が1つあります。百万円の代わりにあなたの足を私にください」


「何!? 冗談じゃない!この足がなければ、立つことも歩くこともできやしないんだ。やなこった、たった百万円で足を売れるもんか」

乞食はそれを聞くと言いました。


「わかりました。では、千万円あげます。ただし、条件が1つあります。一千万円の代わりに、あなたの腕を私にください」


「一千万円・・・!?この右腕がなければ、仕事もできなくなるし、可愛い子どもたちの頭もなでてやれなくなる。つまらんことを言うな。一千万円で、この腕を売れるか!」

乞食はまた口を開きました。


「そうですか、じゃあ、一億円あげましょう。その代わり、あなたの目をください」


「一億円・・・!?この目がなければ、この世界の素晴らしい景色も、女房や子どもたちの顔も見ることができなくなる。駄目だ、駄目だ、一億円でこの目が売れるか!」

すると、乞食は靴屋をじっとみつめて言いました。


「そうですか。あなたはさっき、何も持っていないと言っていましたけれど、本当は、お金には代えられない価値あるものをいくつも持っているんですね。しかも、それらは全部もらったものでしょう・・・」

靴屋は何も答えることができず、

しばらく目を閉じ、考えこみました。

そして、深くうなずくと

心にあたたかな風が吹いたように感じました。

乞食の姿は、どこにもありませんでした。

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中井俊已著
[
幸せに気づく]より出典