●母よ、あなたは悪くない! | ◆「生まれてきてよかった」そんな実感を持てる子に育てるヒント!◆

◆「生まれてきてよかった」そんな実感を持てる子に育てるヒント!◆

勉強だけできても意味はない!

学習のコツや勉強する意味を一緒に考えると共に

勇気づけでお子さんの健全な心も育ててあげませんか?

もしかすると、お母さんが、それをすると、子どもの“幸せ力”を低下させるかも!


それとは何でしょう。


ちょっと説明しますね。


子どもの頃、よく何かの集まりで父は家にいませんでした。


食事を済ますと父はその集まりのために出かけるのです。


正直言って、私を含め子どもたちは、口うるさい父がいなくなると解放されたような気がして、うれしかったのを覚えています。


しかし、母はというと・・・?


父が、その集まりのために出かけてしまうので、さびしさなどもあったのかもしれません。


母は、父の愚痴を言っていました。


「いつもでかけるんだから・・・」


私は、その愚痴をなんとなく聞いていたのですが・・・。


ある本を読んでいて、その頃のことを思い出しました。


そして、それが、私が人間関係を構築する上でマイナスに働いた可能性を感じました。


どちらかというと、もともと私は人間関係を作るのが上手ではないような気がします。


そのために、それを克服するためにいろんな事を学ぼうと思った側面もあります。(もちろん、人の役に立ちたいという側面もありますが)


では、その本とはどんな本かというと・・・


その本は、カンブリア宮殿でも取り上げられた、ある塾の先生が書いた本です。


詳細は最後に明かしますが、その本の著者は、今の子育ての構造的な問題点を指摘しています。


戦後、高度成長期の日本は、仕事最優先の父親の姿がありました。


そうすると、お父さんは子どもが寝てからの帰宅なんてこともざら。


もちろん、疲れていますね。


するとお母さんが、今日の出来事を話そうとすると・・・


「疲れているんだ。子育ては任せているじゃないか!」


本来であれば、お父さんも子育てがどれだけ大変なことなのかを理解し、お母さんの話を聞いて「そうか、大変だったね」とねぎらいの言葉をかけてあげ必要があるのですが・・・


それをしないでいると子育てのストレスをため込んで、他に相談したり、愚痴を言う相手がいない孤立しがちなお母さんがたどる道は・・・?


その本の著者は、こう述べます。


理性では、夫は外で働いているのだから、とわかっているものの、母親自身のはけ口として「お父さん、遅いよねえ」などと、無意識にうちに子どもに行ってしまうのだ。


するとどうなるかというと・・・


相手が、まだ1~2歳ぐらいの無邪気な盛りだと「ママ、かわいそう」と言ってくれ、大変な癒しになるために、それが習慣化しエスカレートしていってしまう。そうした繰り返しの結果、子どもが小学校の低学年ぐらいの年齢になると、父親が何かすれば小馬鹿にするような風潮が家庭内にでき上がってしまう。


これを読んでいて、「これと同じようなことが、私の子どもの頃、生じていたかも」と感じたのです。


さすがに父を小馬鹿にしたようなことはありませんでしたが、母の愚痴を聞いていると母が「かわいそう」感じていたことを思い出します。


もともと父は、口うるさかったので、好きになれなかったのですが、母の愚痴も父に対する評価という部分で、かなりマイナスに働いたろうと思います。


その本の著者は、それが、家庭内暴力が始まる典型的なパターンだとも指摘しています。


そのように育った子どもは、中学生にもなると日常の本当に些細なことがきっかけで、「こんなやつ大したことなかったんだ」と父親を自分以下に過小評価し、やがて家で一番偉いのは自分だと言わんばかりに我が物顔で暴れてしまうケースも少なくない。


それが本当だとすると、子どもに愚痴を言うのは、あまり懸命ではないかもしれませんね。


アドラー心理学的育児の目標の中でも、心理学的目標というのがあります。


「私は能力がある」「人々は仲間だ」という感覚を持つ子に育てる必要があるのです。


では、お母さんが、お父さんの愚痴を言うとすると、子供は「人々は仲間だ」という感覚を持てるでしょうか?


最も身近な存在であるお父さんを尊敬、信頼できなかったらそんな感覚を持つことは難しいでしょう。


他の人は信頼できる、人々は仲間だ、そんな感覚を子どもに持たせてあげることが、幸せな人生を歩ませるための基礎となります。


紹介した本の著者は「はなまる学習会」の高濱正伸さん。


本のタイトルは「孤母社会」。今の子育ての構造的な問題点を鋭くついています。


ちなみに本の副題は、「母よ、あなたは悪くない!」


お母さんたちが、子どもに愚痴を言ってしまうのも社会の構造的な問題だと!だからお母さんたちがママ友をつくったり、どんどん人に頼って、孤立しないように勧めています。そうすることが、子どもを幸せにするのかもしれません。