何年か前、セカンドステップという子供向けの暴力防止プログラムの研修会にも参加しました。
朝のNHKのニュースで取り上げられていて、すぐにネットで調べ、参加することに決めました。
参加者は保育園や幼稚園、児童養護施設の先生たち、児童相談所の心理職の方たちがほとんど。
セカンドステップはアメリカで開発され「子供が加害者にならないためのプログラム」です。
2001年には、全米で「最も効果的なプログラム」として米国教育省より最優秀賞を受けたほど。
現在、アメリカの18,000校で約1,200万人の子供が教育を受け、世界中に広がりを見せています。
セカンドステップは、3本柱からなっています。
①相互の理解
自分の気持ちを表現し、相手の気持ちに共感してお互いに理解しあい思いやりある関係をつくる
②問題の解決
困難な状況に前向きに取り組み、問題を解決する力を養って円滑な関係をつくる
③怒りの扱い
怒りの感情を自覚し、自分でコントロールする力を養って、建設的に解決する関係をつくる
現在、子供に関するいろいろな事件があとを絶ちません。
いじめやそれに関する自殺、親を殺したりなどなど。
その理由として子供たちが人間関係をうまく結べず、社会に適応していく能力が育っていないことが考えられます。
本来なら地域の中で育っていく内にいろいろな人とのやり取りの中で自然に社会的スキルを身につけていたのでしょうが、現在、子供を一人で遊ばせることもままならない時代となってしまいました。
だからこそ、意図的に幼児期に社会的スキルを学ぶことが必要になってきたのだといえるのかもしれません。
その点で、このセカンドステップは大きな貢献をすることになるのではないかと思います。
10人くらいの子供たちを相手に自分の気持ちを表現することや問題にどのように対処するか、怒りを感じたときにどのように対処するかなど自由に意見を述べさせます。
そして出てきた意見を元にロールプレイをしたりしながら楽しく感情について学ぶことができます。
実際に国内の幼稚園や小学校などでこのプログラムを取り入れているところが少数ながらあります。
確か、何年か前に品川区でも小学校の授業にこのプログラムの導入が決まったそうです。
神奈川県の秦野にある幼稚園の園長先生はここ何年かプログラムを取り入れているそうです。
そして「先生たちが楽になりますよ」と力説していました。
ちなみに4~8才用は、週一回で28週間のカリキュラム。
それから最近では、親子でこのプログラムを受ける場合も多くなってきているそうです。
お母さんたちもこのプログラムを受けて、子供に対して感情的にならずに冷静に対処できるようになったという方が多いそうです。
親子関係も改善され、子供も自分の感情に気づき、対人関係が向上する、いいことがいっぱいありそうです。
今は、8歳以上の子向けのプログラムもあります。