以前、イタリアを1人旅しました。
目的は、北イタリアのクレモナという町に行くこと。
その際に、こんなビミョーな話を聞きました。
クレモナの街並
その前に、ちょっとこんな話にお付き合いください!
アマティ、ガルネリという単語を聞いてピンとくるでしょうか?
では、ストラディバリウスという単語を聞くとどうでしょうか?
この言葉を聞くと「バイオリンの名前でしょ?」という方も多いのではないでしょうか?
ストラディバリウス 1716製作
クレモナは、バイオリン製作のメッカのような町です。
そこでは多くの製作家が1500年代からバイオリンを作り続けてきています。
アマティやガルネリというのは、バイオリン製作家の名前。
ストラディバリ自身が製作した楽器は、ラテン語の語尾をつけてストラディバリウスと呼ぶのが慣例になっています。
ストラディバリは生涯中、500とも1000ともいわれる楽器を製作し・・・・・
同じ楽器の裏板。虎杢がきれいです。
終わらなくなるので、最初に話したビミョーな話を!
私は、クレモナのインフォメーションセンターに行き、バイオリン製作家のリストを入手したのですが、それを見ると結構、日本人の製作家がいるのです。
その中の一人の方に電話をし、その方の家に伺うことに!
その方は、確かもと彫刻家か仏像の彫り師だったと言っていた記憶がありますが、それが何かのきっかけで、バイオリンを作ろうと思い、クレモナに来たんだそうです。
その方が、ある時、バイオリンのニスを塗り、窓にかげ干しをしようと窓に行き、ふと、下を見ると日本人の親子3人がいて、工房を見学させて下さいとお願いされたんだそうです。
(ちなみにニスは、30~40回くらい重ね塗りをします)
その親子は、父、母、そして20歳くらいの娘さん。
ドイツに住んでいて、休暇でイタリアに遊びに来た家族だったそうです。
一通り、バイオリンの製作に関して話が終わるとその娘さんが質問したんだそうです。
「君は、ここでバイオリンを作っていて楽しいかい?」
・・・・・・・・・・・・・・・・
確か、その製作家の方は、30後半くらいの年。
何か違和感を感じませんか?
30後半のおじさんを捕まえて、
「君は、・・・・・楽しいかい?」
その娘さんは子供の頃からドイツに住んでいたそうです。
もし、これがドイツ人に聞かれたらそんな変な違和感もないのでしょうが、顔つきは純粋の日本人の娘から、そう言われてとっても変だった、とその方は話していました。
でも彼女にとって日本語は外国語のようなものなんでしょう。
ある意味、敬語のある日本語の難しさを物語っているのですが、言葉はそれが話されている環境にいて初めてビミョーなニュアンスなども伝わるようになるのかもしれませんね。
だからこそ、外国で子どもを育てる際には、母国語としての日本語能力を育ててあげるために細心の注意が必要なのでしょうね。
私にとって、いろいろ考えさせられる話でした。