「全米でもトップ5に入る高校では、成績トップはいつも、ユダヤ人か中国系の子なのよね。中国系は数が多いから、優秀な子もいればそうでない子もいる。でも、ユダヤ人の生徒は、ほとんど全員、いつもトップクラス。そうでなければ、成績はいまひとつだけど、天才肌。この差はいったい、何なの?」
サンフランシスコ郊外に住むヨーコさんは、このことについて長い間疑問を持ち、ユダヤ人の家庭を訪問しては、
「どうしたらそんなに優秀な子に育てられるの?」
と聞き歩いたそうです。ユダヤ人のどの親たちも次の3つが「自分たちの教育法だ」と主張したといいます。
①いい成績を取れ、とハッパをかけない
②家にはかなりの数の本を常に備え、親子で一緒に読書を楽しむ
③いろいろなものを見せ、経験させるために、しょっちゅう子供と一緒に外出する
そして多くの家庭で次のことを言い添えたそうです。
「でも、一番大切なのは、学ぶことは楽しいことだ、と教えることだ」
確かに学ぶことが楽しいと思うような環境を整えてあげれば、学習効率もあがりますね。
天才を生みだし続けるユダヤ人の教育法とは、何かを「強制する・与える」教育ではなく、あくまでも子供の能力を「引き出す」教育なんだとか。
英語のeducationの語源は、ラテン語のeducare。日本語では教育と訳されていますね。この教育という言葉、もともとのラテン語の意味は、引き出すという意味があるそうです。
家庭教育は、子供の資質や能力をを引き出すこと。そのためには、学ぶとは楽しいこと、強制と感じさせてはいけないのですね。
ユダヤ人は、過去の経験から教育の大切さに気づき、子供が生き延びる上で何が大切か、実践してきたようです。 彼らは、長い迫害の経験からアタマの中身があれば、財産が奪われたとしても、どこでも生きていけることを悟ったのです。
だから彼らは教育を大切にしてきました。そしてそれを伸ばすためには、楽しんでやることが有効であることを学んできた。
それとは反対のことが日本で行われてきてるような気がしてなりません。優秀な子に育てるためにと、塾に行かせては勉強をある意味強制し、問題の解き方を教え込む。どうしてそうなるかなんて考えなくてもいい。そんな傾向があるのではないかと思います。(もちろん、そうでない場合もたくさんあるとは思いますが。)
そしてそれが特に小学生の低学年以下の子だったりすると、いろいろ問題もあるようです。
アメンバー限定記事でも書いたんですが、中学受験のため小学校3年生など低学年から塾で学ぶ子は、あとあと伸び悩むことが多いんだそうです。それはある進学塾の先生たちの間では公然の認識だったとか。
9歳の壁
の問題です。
だからこそ、これはあくまで私の意見ですが、低学年から塾に行くよりは、山に登って自然に触れたり、音楽会に行ったり、演劇を見たり、友達と遊んだり、そんな体験をたくさん経験する方があとあと伸びるんじゃないかと思います。
確か、大島清さんという京大の先生が書いた本を読んだ時、心の原風景という言葉を使っていたのを覚えています。
子どもの幼少期のさまざまな体験が子どもにとって原風景になって、大人になっても、それに懐かしさを感じたりすると。思い出の集まりみたいなものなんでしょうかね?
その原風景が、ゲームをしたこととか、塾で勉強したことなんかだと、ちょっと悲しいと思います。
長くなってしまいましたが、まず、勉強を強制して与えるよりも、本を一緒に読んだり、楽しい実体験をさせてあげることが大切なんじゃないかなと思いますが、いかがでしょうか?
さて、上記のユダヤ人に関する情報は、以下の本に収められています。
さらに具体的に子どもを優秀に育てるいくつかの秘訣が書かれています。
「ユダヤ人が語った親バカ教育のレシピ」
アンドリュー・J・サター