イラストストーリー『うさことわたし』 | うさぎのゆきあと~電動車椅子のパステル画家・ゆきの日々~

イラストストーリー『うさことわたし』

イラストストーリー 『シリーズ・うさことわたし』(2009年~2010年)


今回のイラストストーリーは、5枚の『うさことわたし』シリーズを紹介します!この絵たちは、わたしがライフワークで描いている、『うさことわたしの物語』を代表するものだと想っています。

それまで、10年にわたり、自分の分身として、「うさこ」を描いてきましたが、初めて、絵のなかに「自分」がうさこと並んで登場しました!これは、わたしは、自分の障害を受け入れ、わたし(自分自身=「うさこ」)と、手をつないで、仲良く、歩いていきたい。そんな願いから生まれた絵なのです。

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1・『うさことわたし~生きる愛しさ~』

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わたしは、愛車(車椅子)に乗り、呼吸器をつけていて、うさこと手をつないでいます。どんな重い障害になっても、ハッピーに生きることができるんだよ♪辛いことや悲しいこともあるけど、すべてふくめて、生きることが愛しいよ♪という気持ちで描きました。

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2・『うさことわたし~穏やかな寝息~』

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27歳の入院中、気管切開をし、わたしは呼吸器ユーザーになりました。実は、最初は気管切開することを拒んでいました。「絶対に、元の体に戻って、退院したい…。」という想いがあったからです。でも、生きるほうへ…と想い、気管切開を選びました。

この絵は、「呼吸器とともに生きていこう。」というわたしの決意を描きました。わたしは、呼吸器をつけながら、うさこ(自分自身)としっかり手をつないで、眠っています。呼吸器をつけたことで、呼吸する筋力が弱いわたしも、穏やかに眠ることができるようになれました。眠るとき、まくらもとで呼吸器の音が近くですると、それは、わたしの寝息のようでもあり、とても安心します。

今では、呼吸器はわたしの大事なパートナーです。

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3・『うさことわたし~大切なわたしと歩む~』

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上に白い部分を多くしたのは、これからも、歩いていくという願いをこめました。下のふたりの足跡はこれまでの道を…、そして、上の余白は、これからの未来を描きました。うさこは、わたし自身でもあるので、うさこと手をつないでいる、ということは、わたしは、自分自身を受け入れ、大切にして、歩んでいきたいという希望です。


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4・『うさことわたし~絵を描くことが好き~』

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グループ展「好きだ!!展2010」のために描き下ろした作品。

好きなもの…、やっぱり、絵を描くことです。わたしの絵にいつも登場する「うさこ」は、いつのまにか、自分の分身のような存在になりました。

病気の息苦しさで、絵が描けなくなったときがあったけれど、多くの支えのなか、絵を再開しました。 それを想うと、今回の絵の「うさこ」は、わたしを見守ってくれるひとたちの分身でもあるのかもしれない、とこの絵を描いて想いました。

呼吸器をつけた電動車椅子は自慢の愛車です。自分の息をし、絵を描くという日々が大好き。


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5・『うさことわたし~笑顔とピースサイン~』

うさぎのゆきあと~電動車椅子のパステル画家・ゆきの日々~
グループ展「好きだ!!展2010」のために描き下ろした作品。

わたしのアルバムには、自分が笑顔の写真が一枚もないです。それは、顏もふくめ、筋力が弱くるなる病気のためです。 「でも、わたしは、30年間、いっぱい、笑ってきたよ。」と、30歳の誕生日の前に描いた絵です。20代最後の作品は、昔は、風景のなかに小さく居たうさこがだんだんこちらに近づいてきて、わたしとピースをしている、というものになりました。

カメラに向かって、 うまく開かない手で、精一杯の、ピースサインを決める★ わたし、一人では笑うことできないけど、 みんなが一緒にいてくれるから、こころからの笑顔になれます。

笑顔をくれて、いつもありがとう。

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うさことわたしが共演するこの5枚の絵は、わたしが、「わたし」と、病気も含めて、ともに歩いていきたい、と願いをこめたもの。

いつもありがとう。