ある競技の全国大会で、保護者や指導者の方達と話した。

 

全国なので、次は世界大会なのであるが、結果が出る前から海外のホテルの予約をしている保護者(後で、世界大会出場経験者に聞くと、田舎の国だと、ホテルがそもそもなくて取れなかったりするくらい予約が大変なので、当たり前らしい。そう言えば、全国大会も早めにホテルを取るように言われた。)、世界大会が家族旅行だった色々な国に行けて楽しかったと言う保護者、うちの子達は夢中になって帰れと言ってもなかなか帰らんのですよ〜と何とも愛おしそうな表情で話す指導者などなど、本当にたくさんの方からお話を聞いた。

 

なんだか別世界に来たようで。

 

子ども達が夢中になってる真剣な表情を見るために、ここまでするのかと圧倒された。

 

そんな保護者や指導者がこんなに(何百人も集まっていた)いるのかと、子どもの育ちを支えている大人がいることを有り難く思った。

 

思い出したのは、タイトルの”幸せな育児”という言葉。

 

数学オリンピックで成績を残した子どもの保護者達を取材してまとめた本で、こちらも育児中の母親である編集者が後書きで書いていた言葉。

 

こんなに幸せな育児をしている親がいるのか、と。

 

私はそれを読んで、それを幸せな育児と形容する人がいるのだなと思った。

 

私の、本の中身を読んだ印象は、子どもの興味に寄り添ってついていくのは、多大な苦労があっただろうなあ、お疲れ様でした、と言う印象だったので。

 

全国大会の会場にいたのは、正にそういった保護者達だったのだろうと思う。

 

皆一様に、外見はあまり気にされていない。

いや、きちんとされているんだけど、真新しい今年流行の服を着ている人はいなかった。ホテルも便利で安いビジネスホテルで。遠方に来ても観光もせずに会場にずっといるだけ。

 

うちの近所のママさん達はおしゃれで、きれいにしているし、子どもをディズニーやUSJに連れて行く人が多いのだけど、そういうこと(情報収集から購入まで)には時間もお金もかかる。

 

全国大会の保護者は、子どもの競技には外車1台分を超える額を出しても、自身の外見には、清潔でTPOに外れていないこと以上に求めることはないし、ホテルや観光にもあまり興味がないのたな、と感じた出来事だった。

 

お金の使い方、時間の使い方は、人それぞれである。