オオカミの家
チリのストップモーションアニメ
コロニア・ディグニタというチリのカルト宗教の話
超グロアニメと聞いていたけど・・・大丈夫ですグロくはないです!
(心理的にグロいという意味ではわかりました)
ストップモーションアニメが好きなのですが、ストップモーションアニメの魅力はその動きの歪さ・気持ち悪さなのです。
どんなに可愛いアニメでも、ストップモーションにするとどこか不気味さがありませんか?
子供の頃、機関車トーマスが嫌いでした。
あれ、人面機関車ですよね?
表情がめちゃくちゃ怖いです(今でも)
・ティム・バートンのコープス・ブライド
・コララインのボダンの魔女
・JUNK HEAD
上記の作品は好きで何度も観ています。
最近ではレビューもした「MAD GOD」なんかもストップモーションですよね。
ひつじのショーンも結構気持ち悪くないでしょうか(怒られるかな)
【ストーリー】
あるコロニアで生きる少女マリアは豚を逃がしてしまった事により、100日間誰とも話してはいけないという罰を言い渡されます。
それに嫌気が差してコロニアを脱走。
逃げた森の中で家を見つけます。
誰も住んでいないようですが、家の中で2匹の豚を発見します。
その2匹の豚とひと時の安息の時間を過ごすのですが、ある日マリアはその2匹の豚に蜜を与えます。
すると2匹の豚が人間に変貌します。
そしてその二人と一緒に新しい生活拠点を築こうとするのですが・・・
多分
結局マリアの洗脳は解けなかった。
マリアは度々「外にはオオカミがいる!助けて!」と言うのですが、
多分これはコロニアの洗脳の事だと思うのです。
最初はオオカミから逃れる為に脱出して解放を求めるんですね。
そこで新しい安息の地を探して家を見つけたまではいいのですが、
そこで見つけた2人の人間を見つけてその二人に「オオカミ」の恐ろしさを教え込み、
今度は自分が小さな集団の中で小さなコロニアを作ろうとするのです。
最後はその二人に逆に襲われそうになり、マリアは結局「オオカミ」に助けを求めることになり
また元の世界に戻る事になるのです。
(オオカミの思う壺)
(これは完全に私の読解力からのストーリーなので真偽のほどは不明です笑)
洗脳は恐ろしい。
育ちの環境・小さな頃からの教えや考え方を幾度となく刷り込まれて、叩き込まれています。
それを真っ新にすることはとても難しく、なかなか変える事は難しい。
洗脳されているマリアは「やっぱり逃げた私は間違っていた!やはりオオカミは正しかったんだわ」と思ってしまうんですね。
あるあるですね・・・
人間はとても弱いのです。
作り手の方々は自国民への戒めと、洗脳の怖さを皮肉っているんだと思うのですが
内容よりも映像美
上記散々内容について感想を述べましたが、
このアニメ、何より映像の芸術性が一番の見所ではないかと思います。
そして一瞬たりとも同じ絵がなく常にその画はスクラップビルドを繰り返しています。
常に壊され・作られ続ける映像。
アートの様な映像。
美術館を一周するぐらいの感覚はあるんじゃないでしょうか。
怖いような、でもそんな直接的なスプラッター表現は一切ないです。
ストップモーションが不気味という感じです。
それから、音響ですね。
映画館で観るべきと感じるのはこの音響
とても不気味に感じるのはこの不思議なBGMです。
昔、クレイマンクレイマンというストップモーションのゲームをプレステで気に入ってプレイしてたんですけど、
あのゲームも音響が変でした。
あの感覚を思い出しました(わかる人いないだろうか)
何かが耳元で動くような音や鳥の囀り、紙がガサガサいうような音、生活音の様な
この音響こそが不安にさせるんです。
ホラー映画で静かな場面なのに誰かが動いている様な音聞こえたら怖くないですか?
「え?・・・自分しかいない筈なのに誰かいるの?」
みたいな。
ある意味、絵と関係ない音がするというか・・・
その音に何か意味があるのですか?
何?(不安
そして目の前では常にスクラップビルドされていく不気味なアート
映画が始まる前の短編映像のせいで。
プラス要素として、映画の前に流れる短編映像「骨」
この映像の方が本編より遥に怖かった様な気がします。
台詞が一切ないのですが
「少女が謎の儀式をするのに両親(?)を殺した?」
その死体で謎の儀式をしている
ような映像なんですけど
両親ではないのでしょうかね・・・・・・(誰ですか)
わからないので恐ろしいです・
最後からどんどん時間を巻き戻しているんだと思うんですけど
正直全然解らないし、且つあんまり解りたくないです(笑