最近仕事で機会があって、AIを作っている側の人とお話しました。

お互いの仕事について話していく中で、「感想送付とか校正なら、AIに情報食べさせたら(学習させたら)楽に出来る仕事なんじゃない?」と指摘されて、ムムッ…と思ってしまいました。

仕事関係の人で波風立てたくなかったので、そうですね~そうなったら私はお役御免ですね(笑)と流しておきましたが…モヤッとするのでブログにします。

 

もう既にWordにも校正・校閲機能もついていて、利用している人は多いと思いますが、物書きをする人ならアレがあんまり意味のないもの…というか、求めていないものだって事は、分かって頂けるかなぁと思います。

 

AI技術は素晴らしいものですし、文章の癖の分析とかには向いてると思いますけども、校正や感想といった「その作者や作品に合わせたもの」を送らなければならない分野には、まだまだ導入出来ないものだと思っています。

 

校正は確かに文章や内容を正しく直すものですが、言葉に込められた意図をすくい上げる事も必要で、場合によっては文法的に間違っていようが何だろうが、「原文ママ」とすることもあります。特に趣味の分野ではそっちの方が多いんじゃないかな?と思っています(私はそうしています。創作物はその作者様のファンが楽しめることが一番なので、作品の味が失われてしまうのならば、正しさは捨てます。校正者としては△に近い×ですかね。)

 

感想も同じで、誰が送ったか・同じ「好き」でもどんな形で送ったか、は重要だと思っています。例えばプレゼントを贈るとき、無言でアマギフ千円をネット経由で送られるよりも、同じアマギフ千円でも「おめでとう」なり何なり一言添えた形で送られてくるのでは受け取った時の気持ちも違うようなもので…AIに私の文章パターンを学習させて書かせることは理論上すでに可能だとは思いますが、それでは有料感想の意味はない、と思います。そもそも多少パターンが学習できても、読んでいる時の状態・前提情報によって、綴る内容も変わってきます。一概にパターンで返送できるものではないと、思っています。

 

お話した方はガチガチの理系ですが、普段から読書もする人でした。

なので文章への愛情も同ベクトルかな…なんてちょっと思っていたんですけども、いざ深い話をしてみたら本に対する考え方・感じ方が異なっていて、こういう風に本を消化する人もいるんだなぁと勉強になりました。

そして本を読んで感情を湧かせて、しかもそれを言語化するって人も少ないのだな、と何となく思いました。前々からネット上では「感想を貰えるって貴重なこと」と言われていますが、それは今でも変わらない事だと感じました。一言コメントやハートは、一昔前より貰いやすくなっていると思いますが、わざわざ文章と言えるくらいの長さで感想をくれる人は稀少なんだなと、そう思います。私の場合、ココナラで評価コメントを下さる方が該当するかなと思います。ご依頼を頂けただけでなく、評価まで丁寧に入力して頂けることには、本当に感謝しています。

 

これからどんどんAI技術は発達していくものだと思いますが、さて校正やら感想送付やらは、残っていく仕事なのでしょうか。私は残っていくと思っていますが、残るためにはAIとの差別化を意識していかないといけないなって思います。AIの書いた文章を見せられて、それが生身の人間が書いたものなのかどうか、正直見抜ける自信がありません…見抜けるくらいには感性を養っておかないといけないなって危機感を持ちます。

 

本当ならAIには確定申告を代わりにやってもらったり、家事とか仕事とかのタスク管理を私の状態に合わせて組んでもらったりとか、そういう便利なことをして欲しいんですけどね…。あとは数字の計算が苦手なので、見積りの発行など肩代わりしてくれたら有難い(笑)計算式はあるので、条件を指定したらいい感じに見積書を発行してくれたらいいんですけど、今度は情報保護が難しくなりそうで個人での運用は難しそうですね。保守コストの方が高くつきそうです。