トンビ先生。
この週末は、飛びモード。
富士山麓で開催されたコンペに行ってきた。
設定されたのは、52kmのコース。
長い距離を飛ぶためには、
とにかく風を読み、上昇気流に乗って高く上がらないといけない。
私の機体は、他の選手よりも性能が劣るので
(その分安全性が高い。つまり良い機体に乗る腕がないだけw)
余計に移動するための高度を稼がないといけない。
なのに、出遅れた。
_| ̄|○
大多数の選手が上空でスタート時間を待っているというのに、
私はまだ、離陸場あたりでウロウロもがいている始末。
やっとこさ高く上がった頃には、
とっくにレースは始まっていた。
ああ、またもや一人旅。
でも良いんだ。
私は私のゴールを目指して飛ぼう。
(`・ω・´)
飛び始めて1時間半ほど経った頃。
それまで何とか決められたポイントを回っていたけれど、
ついに、どうしようもなく低くなってしまい、
地面まであと50mを切ってしまった。
またダメだった・・・。
半分、諦めかけた。
ふらふらと、着陸場の上空へ。
その時、声が降ってきた。
「諦めたら、そこで試合終了ですよ」
・・・安西先生っ!
(TωT)
ええい、ダメモトだ。
出来ることはやってみよう!
とりあえず、山の斜面につけてみた。
すると、
ちょうど南風が強くなっていて、
山の斜面の南向きの部分に、
わずかだけど上昇成分があるじゃないか。
この風に、乗るしかない!
(`・ω・´)
ちょっとでもミスしたらおしまいだってことは、
これまでの経験で分かってる。
だからこそ、集中して、丁寧に、丁寧に。
わずかな上昇成分から外れないように飛び続ける。
・・・・・・
やがて、今まで張り付いていた山の斜面が、
足の下に見えた。
あ、上がったーっ!!
┏━━━┓
┃私GJ !!┃
┗━┳━┛
(*´Д`)ノ
さて、上がったは良いが。
レースを続けるためには、
もうひとつ奥の尾根の稜線上に出ないといけない。
尾根に突っ込んでみることは、簡単にできる。
でも、果たしてこの奥に、
上昇気流はあるのか?
南風が強くなったおかげで上がれたけれど、
突っ込んだ結果、上昇成分がなかったら
この南風(向かい風)のせいで戻ってこられなくなるかもしれない。
「限界の、一歩手前で引き返すこと!」
「そう。よく分かってるじゃない」
フライト前に、ナオトと交わした会話がよみがえる。
もしかして、今がその時なんじゃないか?
でも、私、まだレースを続けたいんだ。
時間にしたら、ほんの数十秒かもしれない。
でもそのわずかな時間、
私は頭がパンクしそうなくらい、必死で悩んで迷っていた。
その時。
私のすぐ下を、
トンビがふ~っと飛んでいった。
ってことは!!
(・∀・)キラーン☆
飛んで行く、その先を目で追う。
すると予想通り、尾根のあるポイントで高度を上げ始めた。
あそこに、上昇気流がある!
トンビ先生ありがとう!!!
(*´∀`*)
注:
トンビは、羽ばたかずに円を描きながら高く空に舞い上がっていく。
あれが上昇気流に乗っているのであり、飛び人の目指すところ。
そんな訳で私たちは敬意を表して、「トンビ先生」と呼んでます。
そんな訳で、稜線上に復活でき、
再びレースに戻ることができた。
・・・んだけど。
この時点で、すでに気力体力ともにエンプティ。
その後は1つのターンポイントを取っただけで
終わってしまった。
自分のスキルはまだまだ足りないし、
それからトレーニングして持久力をつけなきゃいけない。
でも、楽しかった!
\(゜∇゜)/
根性の上げ直しを、チームの仲間が見ていてくれて、
「良くやった頑張った」
「あれは見事だった」
「次はきっとゴールできるよ」
と、それぞれ誉めてくれたのも嬉しかった。
トンビ先生に助けられたことを話すと、
ナオトはこう言った。
「飛びの神様っているんだよ。
諦めないで頑張っている人のところに、
トンビを飛ばしてくれるんだよ」
ああ、ホントにそうかもしれないと、ちょっと思った。