【飾れる物語】
“ぶきっちょネズミのパンケーキ”
甘い匂いに誘われて、
ぶきっちょネズミは、じっと見ていました。
人間が食べていた、ふわふわのパンケーキ。
とろりと流れる蜂蜜。
赤い苺。
きらきら光るバター。
「いいなぁ……」
自分も食べてみたくなって、
ネズミは思い切って作ってみることにしました。
でも、やっぱりぶきっちょ。
丸く焼くつもりが、少し歪んでしまったり、
重ねたらちょっと傾いたり。
それでも一生懸命焼いたパンケーキは、
どこか誇らしげです。
形は不揃いだけれど、
がんばった時間が、
ちゃんと積み重なっています。
【制作裏話】
パンケーキって、
スイーツの絵を描いたことがある人なら、
一度は描いたことがあるのでは?![]()
シンプルに見えて
実はとても奥が深いモチーフ。
焼き色ひとつで印象が変わり、
蜂蜜の透明感や苺の赤みで、
空気まで変わります![]()
今回は「ぶきっちょなネズミ」がテーマ。
だからあえて、
パンケーキの形や大きさは揃えませんでした。
少しだけ歪んでいたり、
ちょっと傾いていたり。
焼きムラも、蜜のかけすぎも、
そのまま残しています。
上手に整えることもできたけれど、
今回は“整えない”ことを選びました。
だって、ぶきっちょだから。
でも、ぶきっちょでも、
一生懸命焼いた時間はちゃんとそこにある。
パンケーキの色も、
ただの茶色ではありません。
オレンジ、赤、ピンク、ほんの少しの黄色。
何層も重ねて、深みを出しました。
蜂蜜の透明感も、何度も描き直しました。
最後に白のハイライトを入れた瞬間、
急に命が宿るように、
美味しそうに輝きましたよ![]()
黒い背景の中で、
蜂蜜の光が浮かび上がるように、
何度も色を重ねています。
そして最後に、
そっと光を足しました。
物語の空気が、
ふわっと広がる瞬間です。
この作品を描いているとき、
私はずっと思っていました。
うまくできなくてもいい。
歪んでいてもいい。
がんばった時間は、
ちゃんと積み重なっている。
このネズミは、
もしかしたら私自身かもしれないし、
読んでくださっているあなたかもしれません。
完璧じゃなくても、
今日も何かを頑張っている人へ。
小さな物語を、
そっとお部屋に飾っていただけたら嬉しいです。
現在、
ミニ複製画・原画ともに
minne/Creema/メルカリにて販売中です。
あなたの毎日に、
静かに寄り添えますように
最後までお読み頂き、
ありがとうございました





