浅妻船-歌詞- | 『花のほかには』-fuyusun'sワールド-

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fuyusunの『何じゃこりゃ!長唄ご紹介レポート』
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長唄全集(7)老松/浅妻船/寒行雪の姿見(まかしょ)/芳村伊十郎(七代目)
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小々波や八十の湊に吹く風の身に泌み
初むる比叡颪千船百船艫をたてて
入るや岸根の柳影
この寝るる
浅妻船の浅からぬ契りの昔驪山宮
抑羯鼓始まりは
靺鞨国より伝え来て
唐の明皇愛で給い
そりゃ言わいでも済もうぞえ
済まぬ口舌の言いがゝり
背中合わせの床の山
こちら向かせて引き寄せて
抓つて見ても漕ぐ船の
仇し仇波浮気づら
誰に契りを交わして色を
かえて日影に朝顔の花の桂に寝乱れし
枕恥かし
辛気でならぬえ
筑摩祭りの神さんも
何故に男はそれなりに
沖津島山よる波の
寄せては返す袖の上
露散る芦の花心
月待つと其約束の宵の月
高くなるまで
待たせておいて
独り袂の移り香を
片割月と頼めても
水の月影流れ行く
末は雲間に三日の月
恋は曲者忍ぶ夜の
軒の月影隠れても
余る思いの色見せて
秋の虫の音冴え渡り
閨の月さえ枕に通う
鈴もりんりん振りつゞみ
しおらしや
弓の影かと驚きし
鳥は池辺の木に宿し
魚は月下の波に臥す
其秋の夜も今は早
鐘も聞こえて明け方の
入るさの月の影
惜しき月の名残や惜しむらん