五郎-歌詞- | 『花のほかには』-fuyusun'sワールド-

『花のほかには』-fuyusun'sワールド-

fuyusunの『何じゃこりゃ!長唄ご紹介レポート』
自己満足ブログですみませんm(_ _)m

長唄全集(十三)五郎時致/蓬莢/芳村伊十郎(七代目)
¥2,415
Amazon.co.jp


さる程に
曽我の五郎時致は
倶不戴天の父の仇
討たんずものとたゆみなき
弥猛心も春雨に
濡れてくるわの化粧坂
名うてと聞きし少将の

雨の降る夜も雪の日も
通ひ通ひて大磯や
廓の諸分のほだされて易く
誰に一筆雁の伝て
野暮な口舌を返す書
粋な手管につい乗せられて
浮気な酒によひ月
晴れてよかろか晴れぬがよいか
兎角霞むが春の癖
いで、オオそれよ
我も亦
何時か晴らさん父の仇
十八年の天津風
いま吹きかえす念力に
のがさじ遣らじと勇猛血気
その有様は牡丹花に
翼ひらめく胡蝶の如く
勇ましくもまた健気なり

藪の鶯気ままに啼いて
羨ましさの庭の梅
あれそれよと春風が
浮名立たせに吹き送る
堤の菫鷺草は
露の情に濡れた同士
色と恋との実くらべ
実浮いた仲の町
よしやよし
孝勇無双の勲は
現人神と末の代も
恐れ祟めて今年また
花のお江戸の浅草に
開帳あるぞ賑はしき