小林由依×渡邉理佐(学パロ)










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理佐ちゃんは変わってしまった
あの頃はよく私のところに来てくれてたのに


「ゆーいちゃん!」

「ゆい!」



理佐ちゃんの呼んでくれる由依が1番好きだった


友達は少なかったけど理佐ちゃんがいるだけで私は幸せだったし楽しかった。
一緒にお絵描きをしたり公園で遊んだりお互いの家にお泊まりしたりゲームやお菓子作りだってした。



理佐ちゃんのことが好きだと気づいたのは中1の頃
この気持ちは秘密にしようと思っていたけど



『私は、、理佐ちゃんがすきなのに、、』

「えっ、?」



ふと思いが漏れてしまった
もうこのまま伝えてしまおうそう思った。



『私は理佐ちゃんと付き合いたい』



私がそう言うと
理佐ちゃんは少し頬を赤らめ恥ずかしがりながら告白を受け入れてくれたのを今でも覚えている。




高校受験も一緒に同じところ行こうねって約束して勉強を頑張って何とか2人とも合格出来た。
合格発表の日2人で見に行ってお互いの番号を見つけた時は嬉しくて泣いたのを覚えている
これからもずっと隣にいてくれると思ってた。




高校に入学してクラスは違かったけど
登下校だったりお弁当を一緒に食べていた。

だけど入学して2ヶ月程経ったくらいから理佐ちゃんと一緒に登下校したりお弁当を食べることが無くなった。
なんか忙しいらしい。

でも、毎日欠かさず連絡をくれるから寂しかったけど耐えられていた。

授業が終わり廊下に出ると久しぶりに理佐ちゃんがいて話しかけた。





『理佐ちゃん』

「あっ、由依、」

『今日さ久しぶりに一緒に、、

保乃「あれ?理佐やん!この後ひいちゃんたちとカラオケ行く予定なんやけど理佐も一緒に行かん?」



急に理佐ちゃんの後ろから人が来て理佐ちゃんに話しかけた。



「あー、うん行こいこ!」

『えっ、理佐?』



あれ、?
私の声届いてなかったのかな、?
まるで私がいなかったように話ているふたりを見てそう思った


保乃「この子理佐の知り合い?」

「えっ、?いや全然知らない子」

保乃「そうなん?ほらはよカラオケ行こ!ひいちゃんたちが待ってるで」



鈍器で頭を殴られたような衝撃だった。

今考えればこうなるのは必然だったのかもしれない
高校に入学して理佐ちゃんはどんどん人気になって行った。
今ではキラキラしていてこんな陰キャで地味な私なんて眼中に無いんだろうな
私なんて理佐に不釣り合いだったんだ。
理佐の優しさに甘えてきっと理佐も迷惑してたんだ




yui:理佐ちゃん、今までありがとう
   ごめんね


その後既読はついたけど返信は来なかった。
この日から理佐と話すことも連絡を取り合うのもなくなった。




あれから1年が経った。
私の学校はクラス替えがないから理佐ちゃんとは関わることはなかった。
でも久しぶりに廊下に出た時に理佐ちゃんを見た。


あの頃から変わらない姿に
あの時のことがフラッシュバックする。
私はどこまで未練がましいんだろう

教室に戻り自席に座る。



夏鈴「由依ちゃんどうしたの」

『えっ、?』

夏鈴「いやさっきから浮かない顔してるから」

『ふふ、大丈夫だよ。ありがとう』



この子は藤吉夏鈴ちゃん
高一の時に仲良くなってこんな私とも関わってくれる
不器用な子だけど優しくて私に寄り添ってくれる子



ある日
クラスの男の子に呼ばれた。


夏鈴「それほんとに大丈夫?何かあったら連絡してね」

『わかった、行ってくるね』


心配をされたけど断ることも出来ず何かあったら連絡すると約束して東階段の方に向かった。


『急にどうしたの?』

𓏸𓏸「俺と付き合ってください」

『えっ、と、、ごめんなさい』


急に告白をされて驚いたが
断りをいれ教室に戻ろうとする。


すると手を引かれた。


『んっ、、や、やめて』

𓏸𓏸「うるさい」


気持ち悪い
体を触れられキスされそうになる


たすけて、たすけて、、、、



たすけて、



理佐!




夏鈴「由依、、」

「由依!」


バン


「由依から離れろ!ふざけるな?早く消えろ!」


なんで、理佐ちゃんが、、

なんか疲れて



「由依、ゆい!、、ゆ、、い! 、、!」




目が覚めると保健室にいた。



友香「あら目覚めたのね。よかった、体調は大丈夫?」

『えっ、あっ大丈夫です』

友香「2人とも由依ちゃん目覚ましたよ」

夏鈴「由依ちゃん、」

『夏鈴ちゃんと、、理佐ちゃん、?』

「大丈夫なら良かった。じゃああとは2人で」

夏鈴「理佐、約束したよね?」

「っでも」

夏鈴「さっき約束したよね」

「っ、、、は、はい、」

夏鈴「じゃあまた後で。」


夏鈴ちゃんの圧に私まで驚く
久しぶりに理佐と二人っきりに緊張する
なにか話さなきゃ


『理佐ちゃん、久しぶりだね』


話す声が少し震える



「あぁ、うん」


それは理佐ちゃんも同じようだった。



『そうずっと言いたかったことがあるんだけだね。理佐ちゃんずっとごめんね。そしてありがとう』

「えっ、?、、」



こんな私と付き合ってくれたことも一緒にいてくれたことも全部全部謝りたかったし感謝を伝えたかった。
ようやく言えた


『私はまだ理佐ちゃんのことが好き。』

「っ、、、」

多分それはずっと変わらないと思う。だけどね、この思いには蓋をしようと思う。だからさ頑張って変わるから理佐ちゃんの隣に行っても恥ずかしくないような人になるから、だから、だから、いつか理佐ちゃんの友達になれないかな


言えた
全部
自分が思っている気持ちを伝えられた。


「それは、む、りかな。」


っ、、、
ああダメなんだ
やっぱりそうだよね。
こんな私なんて嫌だよね

何かが身体から込み上げてきて目から溢れそうになる。
我慢しなきゃ
理佐ちゃんの前では絶対に

せめてめんどくさい女だけにはなりたくない


『そ、そっか、ごめんね!もう私は大丈夫だから。教室に戻りな。話聞いてくれてありがとう』


上手く笑えてるかな、?
これでいいんだ。これでもう本当に理佐ちゃんと話すことは無くなるんだろうな。



「謝らないで、、」

『えっ、?』

「謝らないといけないのは私の方だから。由依本当にごめんなさい」



なんで、なんで理佐ちゃんが謝るの、?



「あの日、由依に酷いことをした日。あの後すぐ後悔した。なんであんなこと言ったんだろうって。でもどうやって謝ったらいいか分からなくてそれでそれで、」

『ふふ、もういいよ。あんなこと言ったってことは本当は心のどこかでそう思ってたってことだから』

「そんなことない!」

ビクッ

「あっごめん。でも本当にそんなこと思ってない。ただ、私が弱かったから。あの時あそこにいた子が同性愛者がキモイって話をしていて、もし由依が私のせいで何かされたらって思ってそしたらあんなことしか出来なかった」


何それ、
私の心の奥底にあった気持ちが溢れる音がした。


『意味わからない』  

「ご、ごめん」

『私がどれだけ辛かったか知らないてしょ?私から告白したから理佐がいやいや私と付き合ってくれたと思ってた。ずっとずっと私に合わせてくれてたんだって申し訳なくて悔しくて自分がもっと理佐に似合うような人になれてたらって』



涙が溢れて止まらない
でも、1と開いてしまった口は止まらなくて


『誰になんて言われようとも私は隣に理佐がいるだけで幸せだったどんな事でも乗り越えられると思ってたのにグスン』

「由依、、、」



全て伝えてしまえば
もう何も伝えることはなくて
ただ溢れる涙を流しているだけだった。


しばらく下を向いていると
頬に誰かの手があたった



「私、馬鹿だった。ほんとにごめんなさい。もしまだチャンスがあるなら私頑張るからもう一度私と付き合ってくれませんか。今度は絶対に話さないから。絶対に由依を守るから。」

『ほんとに?約束してくれる、』

「もちろん、約束する」

『理佐!』
  




私は理佐を抱きしめる
それを理佐は受け止めてくれた。
それが嬉しくて久しぶりに幸せに触れた。



これからもこの幸せが続きますようにと願いながら
この余韻に浸る









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最後までお読み頂きありがとうございました。




では、

またね*