小林由依×田村保乃×森田ひかる×渡邉理佐








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対して頭の良くない私だがスポーツ推薦でそこそこ偏差値のある高校に入学することになった。
ここの高校には知り合いはひとりもいないから1から友達を作らないといけない。

入学式の日
共働きの両親の代わりに私は祖父母と高校に行った。
クラス表を見て自分のクラスに入る。




自席に着くと隣で読書をしている物静かな女の子が座っていた。
私は意を決して話しかけることにした。



保乃「あの小林さんだよね?これからよろしくね!」

『あっ、はい。よろしくお願いします』



これが私たちの出会いだった。
最初は可愛い子がクラスにいるな
そんな感覚だった。




保乃「次数学やって、小林さんは数学得意?」

『あまり得意ではないかな』

保乃「やっぱり難しいもんな」




こんな些細な会話が楽しかった。




『あ、あの、田村さん』

保乃「うん?どうしたん?」

『もしよかったら下の名前で呼んでもいいかな?』





嬉しかった。
由依ちゃんがもっと私と仲良くなりたいと思ってくれたことが


この日から距離が一気に縮まった気がした。






保乃「由依ちゃん!」

『ふふ、保乃どうしたの?』




最初の頃は警戒されてたのかあまり話してくれなかったけど
保乃が話しかけに行けば行くほど由依ちゃんは心を開いてくれた。



翌年2年生になった。
そしてクラス表を見て自分のクラスに入ると、、



『保乃!同じクラスだね』

保乃「もう2年よろしくね」

『うん!』



この学校は2年生の時にクラス替えをしたら授業の関係で2年間同じクラスになる。ということは由依ちゃんと3年間同じクラスになれるということだ。


『実はねこのクラスに幼なじみの子もいるんだよ

保乃「そうなん?保乃も知ってる子?」

『うん、わたな、、』

「私だよー!」

保乃「あっ理佐か!」



由依ちゃんの横から現れたのは私と同じバレーボール部の子で
この部活に入部して1番初めに仲良くなった子だ。




「2年間よろしくねー。あっそうそう2人に紹介したい子がいるんだ!ひかるーー!!」

ひかる「あっどうも、」

「1年生の時に同じクラスだった森田ひかる。仲良くしてあげてね」

『私は小林由依です。ひかるちゃん?よろしくね』

保乃「私は田村保乃。保乃はひいちゃんって呼ぶな!よろしく!」

ひかる「森田ひかるです。よろしくお願いします。」




この日から4人で過ごすようになった。
移動教室やお弁当、放課後だっていつも一緒だった。





そんなある日
6限の授業中、疲れて寝てしまった。




『ほ、、の、、、の、、、保乃』





誰かに名前を呼ばれ目が覚めた。





『ふふ、おはよう。よく寝てたね』





目の前に由依ちゃんがいて優しい眼差しで私のことを見ていた。
この瞬間、今までに感じたことのない感覚に陥った。





保乃「あれ、」

『もう6限が終わって放課後だよ』

保乃「えっ嘘!はよ部活行かな」

『ねぇ保乃。』

保乃「うん?」

『今日はサボってさ2人でどこか行かない?』




いつもだったら冗談だと思ってそのまま部活に行くが
その日は疲れていたのもあって由依ちゃんの誘いに賛同した。





『ふふ、じゃあ行こっか』




右手を繋がれ悪いことをしているはずなのに
楽しくて繋がれた右手に熱が集まる。



その後は近所の駄菓子屋に行って2人でアイスを食べながら色んな話をした。

寄り道をしながら帰路についた
私たちの家は真反対の方向にあるため途中の道で別れる。





『保乃、いつでも頼ってね。今日はありがと!じゃあまた明日!』

保乃「こちらこそありがとう。また明日。」




別れたあと今日あったことを頭の中で整理していく。
久しぶりに由依ちゃんと二人で話していて頭を整理して私はある感情に気づいてしまった。



私はいつの間にか由依ちゃんのことが



好きになっていた。




その日はなんとも言えない感情に支配され、
あまり寝れないまま翌日学校に向かった。


学校につけば案の定、部活の顧問に叱られたが
保乃の脳内はそれどころではなかった。



あの日から由依ちゃんの事を意識して過ごす日々が続いた。




でも気づいてしまったんだ
保乃が由依ちゃんを好きになった頃にはもう由依ちゃんは他の子のことが好きだということに。



保乃「由依ちゃ、、ん」



由依ちゃんの切なげな目線の先にはひいちゃんと理佐が楽しそうに話している姿だった。
今までに見た事のない由依ちゃんの表情で胸がギュッと痛む感覚がした。



『あっ保乃どうしたの?』

保乃「あのさ、由依ちゃんって理佐のこと好きなん?」

『えっ、、、えっ!、別に、そのえっと、、』



この反応で核心へと変わった。



保乃「へぇ、理佐なぁ。保乃は応援するで!」



本当はこんなこと言いたくなかった。
でも由依ちゃんの表情を見ていると言わずにはいられなかった。



『っ、、ありがとう』



由依ちゃんは儚げにでも嬉しそうに応えてくれた。



この日から私の想いを隠しながら過ごす日々が始まった。





保乃「また、理佐は由依ちゃんおいてひいちゃんのところに行ったん?」

『うん、行っちゃった。』

保乃「こんな可愛い子おいていくなんて理佐はほんま馬鹿やな」

『ふふ、そんなことないよ』

保乃「ええ、保乃は由依ちゃんのこと好きやで?」

『どうも』



心のどこかで諦められない私はたまにさりげなくアプローチをしていた。
でもいつも軽くあしらわれておしまい。


それでも由依ちゃんと話せるだけで嬉しかったなんて言ったら嘘になるけど

一緒にいられないよりはマシだと思った。








この感情の行方はどこにしまえばいいですか?













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最後でお読み頂きありがとうございました


では、


またね*