小林由依×渡邉理佐






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朝、1人で登校しているとどうも落ち着かない。
はぁまだ舞台にも立ってないのにてか学校にすら着いてないのに
ずっとソワソワする。



「はぁ、」

『緊張してるの?』

「えっ!?」

『ふふ、驚いた?おはよう』

「あっうん、おはよう」

『なにか悩んでるの?』

「いやぁ、間違えたりセリフ飛んだりしたらどうしようって思ってさ」

『なるほどね。でも大丈夫、間違えてもお客さんには分からないから。セリフ飛んだらアドリブで何とかなるよ。だから安心して』

「うん、そうだね。ありがとうこば」

『どういたしましてー』



こばは人が困ってる時、頑張ろやできるよとは言わない。
その時その時に的確なアドバイスをしてくれる。
こばの一言で気持ちが気楽になれる。

本当に頭の回転の速さと気配りができるのだろう。

私たちはそのままたわい無い話をしながら学校には向かった。



保乃「おっ、理佐と由依ちゃんおはよう」

『おはよう』

「おはよ」

瑞穂「おはよう、今日の午前はみんなで回ろうね!」

保乃「せやね!全力で楽しむぞ!」


文化祭2日目がスタートした。

保乃と土生ちゃんがあれやりたいこれやりたいと言って
終始振り回されたが

なんだかんだ4人で楽しんだ。



午後に近づき劇の準備やら最終確認が始まった。

軽く読み合わせをし終えると次は衣装に移る。


保乃「さすが理佐今日もバッチリやで!」

「ありがとう、ってかみんなもすごいね。なんかこの間よりもパワーアップしてる感じする」

保乃「なんかそれぞれオーラ放ってるよな。あかねんとか綺麗やけどすごい迫力やもん」

「だね、」

保乃「おっ由依ちゃんもできたみたいやで」


っ、、、///


か、かわいい
この間よりもさらにかわいくなっている気がする。

みんなに褒められて笑っているこばが嬉しい気持ちもあるがなんか複雑な気持ちも混ざる。

なんだろうな、本当にあの時のこばではないみたい。
でもきっとこれが本当のこばなんだろうな
明るくて、優しくて



保乃「ほんまもんのプリンセスみたいで憧れるわ」


保乃も目をきらきらさせて由依を見ている。


保乃「あっせや、理佐。由依ちゃんに告ったん?」

「えっ、はっ!?」


なんで急にそんなこと聞いてくるんだ、?


保乃「いやぁ昨日手繋いどったからてっきり理佐頑張ったのかと」

「あれは、こばが急に繋いできただけで」

保乃「へぇ、理佐顔真っ赤やったもんな笑」

「うるさい」


もう恥ずかしい、
思い出しただけであの時の右手に熱が集まるのを感じる


保乃「ラストのキスシーンで本当にキスしちゃえば」

「はぁ!?」


こばとキスなんてできるわけないじゃん!


保乃「あはは、声でか驚きすぎ」

「変なこと言わないでよ」

保乃「でもはよせんと、由依ちゃん取られちゃうで。」

「もう何回も言わなくてもわかってるよ」


友香「そろそろ舞台裏に行くよ」


友香の掛け声で一斉にみんなが動き出した。

舞台裏につき、前のクラスの発表が終わりとうとう私たちの番になった。


『理佐ちゃん』

「うん?」

『かっこいいね』

「っ、///」

『いってきます』

「あっ、頑張って」


こばは微笑みながら舞台にたった。
キスか、あそこはいつも角度でキスしてるように見えるようにしているだけだからな

まぁ勇気のない私に出来るわけないけどね。

気持ちを切り替えて舞台の方に目を向ける。


茜「鏡よ鏡、世界でいちばん美しいのはだーれ?」

井上「それは、白雪姫です」

茜「白雪姫?私よりも美しい人がいるなんて!!狩人!白雪姫を殺してこい!!!!」

武元「承知致しました。」


みんなの演技に磨きがかかっていて見ていてとてもおもしろい。


こばの歌唱シーン
綺麗な歌声が体育館中に響き渡り、みんな聴き惚れている。
演技もとても自然で見ていて違和感がない。

観客の人たちもまるでお話から飛び出してきた本物の白雪姫みたいと言っている人がちらほらといる。


本当にこばは魅力的な人だなと思う。
一斉に体育館にいる人たちの視線を自分のモノにしてしまうのだから。



劇もラストに近づきとうとう私の出番になった。


「ここで何をしているのですか?」

ひかる「白雪姫が、」

瞳月「魔女から貰った毒林檎を食べてしまって」

愛季「私たちが気づいた時には倒れていたんです。」

増本・大沼・幸坂「グスン、グス、、白雪姫、、グスン」

大園「どうか、白雪姫をお助けください」



みんな感情移入していてすごいな



「なんて美しい姫なのなんだろう、どうかお目覚めてください」



吸い込まれてしまうほど美しい。

こばの顔に自分の顔を少し近づけるとこばが私の手をグッと周りにバレない程度に引いた。


っ、!!!!



みんなからの歓声が聞こえ、状況を理解するのに時間がかかった。

えっ、本当に、、、、、

私の脳は停止した。


それでも劇は続いていった。




『んっ、ここはみんなどうしたの?』


「白雪姫は毒林檎を食べて眠られていたんですよ」


小人「白雪姫!!!」


『あなたが助けてくださったんですね。ありがとうございます!あなたは命の恩人です』





あのあとどうやって切り抜けたのか
その後の記憶はほぼなくいつの間にか劇は終わり閉会式の時間になった。


表彰の結果私たちのクラスは最優秀賞を獲得することが出来た。




閉会式が終わると教室に戻り友香が何かを話し始めたが
私はそれどころではなかった。




「ねぇ、こば知らない?」

瑞穂「由依ならさっき教室出ていったよ」

「そっか、ありがとう」

私は教室を出てこばを探しに向かった。



ガチャ



「やっぱりここにいた」

『ふふ、よくわかったね』

「いつもここにいたからね」


そうここは屋上
いつも私たちが練習してい場所

そしてこばが休憩したい時によく訪れる場所だから



『時間大丈夫?この後打ち上げとかあるんじゃない?』

「大丈夫、今の私にはそれよりも優先したいことがあるから」

『そっか』


言葉は少し素っ気ないが口元は少し微笑んでいた


「ねぇあの時どうして、」

『私さずっと理佐ちゃんが憧れだったんだよね』


私が話始めようとした瞬間こばが話し始めた。


『クラスの中心にいる存在で明るくてみんなに優しくて。だから3年生になって同じクラスになれてすごく嬉しかった。文化祭、白雪姫役。私には無理だと思ってたでもチャンスだと思った。私もこれで変わろうって思った。』


私はこばの話に頷くことしか出来なかった。


『理佐ちゃんと話せる機会も増えてすごく嬉しかった。でも憧れの気持ちからどんどん違う感情が私の中でできちゃったんだ。仲良くなれただけでも幸せなのにそれ以上を求めちゃった。だからさいろいろ欲張っちゃったんだ。』


あの時の手を繋いだ理由やキスした意味がなんとなくわかった気がする。

だって私もよく知っている感情だから、


『私さ理佐ちゃんのことが好きなんだ』



っ、、

どんどんと鼓動が早くなっていく



『それじゃあ教室戻ろっか。私はこれを伝えたかっただけだから』



こばはどんどんと歩き出し屋上から出ていこうとしたのを私は手を掴み止めた。

そして抱きしめた。


『えっ、りさ、ちゃ、ん??』

「少しだけこのままでいさせて」

『私の話聞いてた、?そんなことしたら期待しちゃう、じゃん』

「すればいいじゃん」

『なにいっ、て』


私は1人話し始めた。



「去年音楽室から聴こえる綺麗な歌声とその容姿に心が惹かれた。3年生になって同じクラスになって知らず知らずにずっとこばのことを目で追っていた。あの日話しかけてくれた日から仲良くなればなるほどこばにどんどん惹かれていった。クラスに馴染んでいくこばをみて嬉しい気持ちと同時に私しか知らなかったこばをみんなに見られるのが嫌だった。今考えると妬いてたんだと思う。今日劇でこばとキスをして驚いたけど嬉しかった。」




つらつらと話していく私にこばはずっと驚いた表情で私を見つめている。
何故だかそれが面白くて、自分の中で謎の余裕がでてきた。
私は抱きしめていたこばを離して目を見る。



「ねぇ好きだよ。こば私と付き合って」



ずっと言えなかった言葉
でも今はすんなりと言えた。



『っ、///、、、ほんとに、?』

「こんな時に嘘つかないよ」

『私も、すき、、よろしくお願いします。』






私はもう一度こばを抱きしめ

付き合って初めて

本日2度目のキスをした。










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最後までお読みいただきありがとうございました。



では、


またね*