小林由依×森田ひかる×渡邉理佐(謎パロ)











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高校1年生の春、俺はカフェのアルバイトを始めた。


『えっと指導係を任せれた渡邉由依です。よろしくね』

「あっ、はい。森田ひかるです。よろしくお願いします」

『森田くんね!分からないことあったらなんでも聞いて、じゃあまずはこの作業からやってもらおうかな』


由依さんは2年前に渡邉理佐という方と結婚して一児の母だ。
優しくて教え上手で笑顔が素敵な方。


『わぁすごい、まだ働き始めて1週間も経ってないのにもう完璧じゃん』

「ありがとうございます」


まあ完璧なんて当たり前だ。

学校終わりや休みの日などなるべく多くシフトを入れ
何も起こらないまま気づけば半年が経っていた。


『ひかるくんはさ好きな人いないの?』
 

森田くん呼びだったのもいつの間にかひかるくん呼びになっていて私生活の話もできる仲になった。


「うーん、今はそんなこと考えてる暇ないかも、」

『えぇ、そうなの?』


恋愛なんて考えている暇は今の俺には無い、
でも少し悲しそうな顔を由依さんがするから


「あっでも、クラスメイトに可愛いなって思う子ならいます。」

『かわいい子かいいね!名前なんて言うの写真とか見てみたい』


なんかいつもに比べてテンション高いな恋バナとか好きなんだな


「えっと、この子で。名前は田村保乃ちゃんって言います。幼なじみで隣の家なんです」

『えぇ、保乃ちゃん!可愛らしくなって』




何故か口調が元々保乃ちゃんのことを知っていますみたいな感じなのが少し不思議だ

知っていても当たり前だが、でも由依さんがそう認識するなんて有り得ない。

さほど気にすることでもないと思いスルーした。



『そういえばひかるくんは進路とかどうなの?』



進路、か、、、
私がこの先未来があるとするならばなりたいと思っていた職業がある。



ひかる「カメラマン、」

『カメラマン、?素敵じゃん!』

ひかる「なれるか分かりませんけど」

『ひかるちゃんならなれるよ!だってひかるちゃんの撮る写真私大好きだもん。応援してる』



なんか複雑な気持ちになりながらも
2人で話しながらバイト終わりの道を歩いていた。

すると


「由依」

『あっ理佐』


赤ちゃんを抱っこしている由依さんの旦那さんが迎えに来ていた。



ひかる「ご無沙汰してます。」

「久しぶり、いつもありがとうね」

ひかる「いえ、」

『ふふ、よいしょ私の子かわいいでしょ?よしよし』




さっきまで理佐さんが抱っこしていた赤ちゃんを今度は由依さんが抱き上げた。

こんなふうに抱き上げて優しい顔を向けてくれていたんだ、


その日は理佐さんとも軽く話一日が終わった。






それからさらに2ヶ月ほどが経った。


最近は由依さんがあまりバイト先に来ていない。
嫌な予感がする、、




店長「あっひかる、実はさ由依ちゃん病気で入院したらしくて○○病院ってところなんだけど」

ひかる「っ、、、!!あの今日早退しますすみません!」






俺は走って病院に向かった。
病院に着くととりあえずナースステーションに行き、由依さんの病室を尋ねる


302号室。私は走ってそこに向かった。





ひかる「っ由依さん!!」

『あれ、ひかるくん。来てくれたの?』

ひかる「どうして、いつ、なんで」

『ほらほら落ち着いて泣かないで』

ひかる「いやだ、やだ、いかないで、私を1人にしないで」

『っ、、お願い、落ち着いて

ひかる「死なないでよ、」

『ふふ、ひかるくん元気でいてね』

ひかる「っ、、」



俺はまた走って外に逃げた。




どうして、なんで、、なんでまた助けられない!?


前回は火事、その前は事故、その前もその前もその前も、

今回は上手く行きそうだったのに、
前回よりも長生きさせることができていたのに、、、


俺は由依さんを、、、




お母さんを助けることが出来なかった、




あと何度タイムスリップすれば


お母さんの笑顔を見続けていられますか、?









「由依、」

『ふふ、あの子いつまで続けるのかしらね』

「さぁね、」

『理佐がああさせたんでしょ、まったく』

「そうだけど、まさかあそこまで必死になるとは」

『もうひかるくん、、、、ひかるも高校生ね』

「そうだな、」

『20歳になるあの子を見てみたかったな、結婚式とか孫とか抱いてみたり?』

「っ、」

『何、理佐が泣きそうになってるのよ笑』

「ご、ごめん」

『ふふ、もう充分満足よ。人の死の運命はそう簡単に帰られるものじゃないわ、順番ってものがあるからね。私は少し早かっただけよ』

「君のいない人生なんて意味があるのかな、」

『っ、、貴方がマイナスになってどうするのよ!元はと言えば理佐がそんなんだからひかるが心配して何度も繰り返してるんでしょ』









ひかる「お父さん」

「やっぱり俺には由依を助けられないんだな、、由依がいないと俺、俺は、」

ひかる「私が、私がお母さんを助ける!」

「えっ、?」

ひかる「だから待っててお父さん!」









「でも、本当のことじゃないか、俺は由依がいるから。」

『私が好きなら、私のことを愛しているなら、それと同じぐらいひかるを愛しなさいよ。ひかるを1人にしないであげて。2人で寄り添ってよ』

「っ、、」

『あと何回ひかるが未来からタイムスリップしてくるか分からないわ、止めてあげてあの子を。私から解放してあげて。2人で生きて!』

「わ、かった、、」


ぎゃああああ


『あらあら、泣いちゃった。ひかる大丈夫だよ。お父さんはこれからもっと逞しくなって未来のひかるとは違う人生になるはずよ。』

「そうだな、俺がめいいっぱいの愛情で育ててやる。由依の分まで」

『ふふ、それでこそ理佐ね。今目の前にいる赤ちゃんのひかるとさっきまでいた高校生のひかるしか見たことないけど。きっと素敵な子になるはずよ。こんなに人のために頑張れる子なんだから。それに私と理佐の子供なんだから』

「ああ、もちろんだ、グス」

『もう、泣き虫なんだから。でも嬉しかったわ。次はどんな方法で助けようとしてくれるのかななんて何気に楽しんでたし。私も充分満喫できたわ。ありがとうね2人とも』

「グスン」

『もう、笑。私嬉しかったよ、2人が必死になってくれて。それにひかると恋バナや進路の話とかもできたしもう本当に大満足よ。理佐とも沢山話せたからね』

「なぁ、由依」

『うん?』

「愛してるよ」

『っ、///ふふ、私も愛してるわ、理佐そしてひかる』




その数日後由依は息を引き取った。
何度も繰り返した由依の最後

でも、今回が本当の最期だ


『由依、ありがとう。俺は由依の分までひかるを愛し育てるよ。だから見ててくれよな』





16年後


「なぁ由依、あの子もあの時よりも少し大きくなって高校も卒業だよ。由依の考えていた通りひかるは素敵な子になったよ。」

ひかる「お父さん何してるの?」

「あっ、ちょっとお母さんと話してたよ」

ひかる「あっ俺も話する!お母さん俺、保乃と付き合ったよ。それであの時話した進路の話なんだけど無事受かったよ!立派なカメラマンになれるように頑張るな!」

「えっ、?」

ひかる「あっお父さんには話したこと無かったね俺さよくここでお母さんに報告してるんだ。」


あぁそういうことか
タイムスリップしなくてもひかるは由依に報告してるんだな


「そうか、きっと由依も喜ぶよ」

ひかる「だといいなぁ、ほらお父さん早くお出かけ行こ」

「ああ、そうだな」

ひかる「お母さん行ってきます!」

「いってきます」



あれからひかるは成人して、結婚して、子供が出来て
由依の見たかった人生をあの子は歩んでいるよ、

きっと君ならどこかで見守っているんだろうな。


これからも俺は大切な人たちを愛し続けるよ








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最後までお読みいただきありがとうございました。





では、


またね*