小林由依×渡邉理佐(学パロ)
リクエストです!




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本格的に寒くなり、あともう少しで別れの季節がやってくる。
いつもと変わらない放課後
私はこの学校にとある理由で一年ほど前に赴任してきた。
今日も1人教室で笑い合いながら帰っていく生徒たちを眺める。


ひかる「先生!」

『うぉ』


突然後ろから生徒に話しかけられ変な声が出てしまった。


ひかる「また1人で黄昏てたんですかー?笑」

『うるさいです。生徒は早く帰りな最終下校時刻すぎてるよ』

ひかる「わかってますよ。ちょっと忘れ物取りに来ただけでーす」


ひかるちゃんは私が担任を務める3年C組の生徒だ。
明るくクラスでも中心的存在で生徒や先生からの信頼も厚い素敵な子。


ひかる「あっそうだ!先生って忘れられない恋とかしたことある?」

『どうしたの急に笑、忘れられない恋?』

ひかる「そう!さっき読んでた本にでてきてさ、人生の先輩である先生ならひとつやふたつくらいしたことあるのかなって。例えば生徒に恋しちゃったとか」

『えっ?』

保乃「ひいちゃん、はよ帰るでー」

ひかる「あっ保乃ちゃん、それじゃあこの話の続きはまた今度!じゃあね先生」

『あ、さようなら気をつけて帰るんだよ』


2人は元気よく返事をして教室を後にした。

忘れられない恋か、、、
 




あれは約3年前この学校に赴任してくる前の学校での出来事
私は今務めている櫻坂高校から遠く離れた欅坂高校に勤めていた。

あの時は新任なこともあり期待や不安を抱えながら新入生を向かい入れていた。
みんな新しい環境に胸を弾ませ、クラス表を眺めている。


入学式を終え、教室に戻り自己紹介の時間になる。
各々、話していく中で一際目の惹かれる子がいた。

その子は決してなにか特殊なことを言ったわけでもなく。
ただ発表しているその姿に心を奪われた感覚だった。

"渡邉理佐"

この子が私の人生をここまで変えるなんてあの時の私は思ってもいなかった。



私の専門科目は国語だか小さい時からピアノを習っていたこともあり少し時間が出来た時は音楽室のピアノで弾き語るのが日課になっていた。


『五月雨よ教えてくれ曇り空に叫んでた〜止むつもりか、止まないのか、先のことは分からないまま五月雨式に〜好きになってく〜』

トントン


「あれ小林先生?あの音楽の先生知りませんか」


驚いたまだこの時間に生徒がいるなんて、


『今日はもう帰られたけど。何かあった?』

「あっいえ大したことでは無いので後日また出直すことにします。あの、小林先生ってピアノ弾けるんですか?」

『え、あっまぁ』

「すごっ、歌声もすごく素敵でした。あのさっき演奏してたのって五月雨よですよね?わたしもあの曲好きです」




この日から渡邉さんと音楽室で会うことが増えた。
好きなアーティストが同じだったり共通の話題が多く何気にこの時間を楽しみにしている私がいた。


「あっ由依先生いたー」


距離感も前よりも縮まった。
それがとても嬉しかった。


そんなある日


「あの由依先生」

『どうしたの?改まっちゃってなんかあった?』

「えっと実は、その」

『ゆっくりで大丈夫だよ』

「わたし、由依先生のことが好きです。私と付き合ってください」


震える手がこの場の緊張感を伝えてくれた。
私の鼓動が早くなる。

私はいつの間にか渡邉さんの手をとっていた。


「えっ、」

『よろしくね、理佐ちゃん』

「っ、、はい!絶対に幸せにします!」


こんな幸せな日々がずっと続くと思っていた。

私たちは生徒と教師だから周りにバレては行けない。
だからなるべくいつものように接して外では合わないようにしていたし、近すぎる接触も避けていた。

寒くなり始めた季節
いつもよりも危機感がなくこの日は何故か大丈夫だと思ってしまった。


「ねぇ、由依」

『どうしたの?』

チュ


『んっ、、りさぁ?』

「あっごめん」

『そんな寂しそうな顔しないでよ。嬉しいよ、ほら理佐おいで』



翌日いつものように私が学校に通勤してくると


校長「あの小林先生ちょっとお時間よろしいですか?」

『あっはい』


何か嫌な予感がした。


校長「まずは、この写真を見てください。こちらが小林先生そしてその隣にいるのはうちの学校の生徒ですよね?」


そう昨日の私と理佐がキスしている写真が取られてしまったのだ。


『っ、、はい間違いありません』

校長「恋愛をすることはいいことですが生徒と教師となると話が変わってきます。こんなことを言いたくはありませんが別れを告げ渡邉さんが退学をするか小林先生が移動をするかのどちらかになります。」

誰が撮ったのか分からないがもし今後理佐になにか影響が起きてしまったらと考え私は別れを告げこの学校から去る選択肢をとった。


校長「そうですか、いつかまた会えます。今の辛抱です。何もしてあげられなくてすまないね」

『いえ、私がいけないのですから校長先生は謝らないでください。私の方こそこのような事態を招いてしまい申し訳ございませんでした。』

校長「では、この方向で話を進めていくよ」

『はい。それでは失礼します。』


涙が溢れそうなのをグッと堪え、今日の授業はみにならず何度もミスを連発してしまい何とか放課後になった。
私はいつものように音楽室に行った。
するとそこにはいつものように理佐が待っていた。

ほんとうは抱き着きたいけどもうおしまいだ。


「あっ!由依」


はぁもっとこうして一緒にいたかったなぁ。私がりさと同い年だったらこんな事起きなかったのかな?
私は覚悟を決めた。


『ねぇ理佐』

「どおしたの??」

『私たち別れよっか』

「えっ、?冗談だよね?

私の目を見た時これが冗談では無いと思ったのか理佐は黙り込んでしまった。


『冗談じゃない。所詮生徒と教師だもん永遠なんてない』

「っ、、最低」


理佐はそういうと泣きながら去っていった。
私本当に最低だ。嫌われてもいい理佐にはもっと素敵な人がいて私なんか忘れて幸せになって欲しい。
ごめんごめんね。私がもっと強かったら守ってあげられたのかな?


そして1ヶ月ほどたった修了式の日私の移動が伝えられた。
私はその後すぐに荷物をまとめて移動先の高校に向かった。

私は一言だけ言葉を書いた付箋を理佐の机に貼ったとき車に乗り込んだ。



とまぁこんなことがあった。

自分の詰めの甘さに項垂れる。

あの時高一だった理佐も今はひかるちゃんと同じ高三で卒業を控えてるんだもんな

時の流れの速さに驚きつつ、それでも理佐のことを忘れられない私の未練がましさにもどかしさを感じる。

今はこの学校のクラスのことを1番に考えないとそう自分を奮い立たせ私は職員室に戻った。




そして時は過ぎ卒業式の日になった。
やはり自分が受け持ったクラスの子が卒業するのは寂しいと思った。
今日も1人教室でこの学校を去る生徒を眺める。


ひかる「ほんと先生は黄昏れるのが好きですね」

『ひかるちゃんも相変わらず私を見つけるのが得意ね。卒業おめでとう』

ひかる「ふふありがとうございます。やっぱり私が居なくなったら寂しい?」

『そうね一緒に黄昏てくれる人いなくなちゃうからね寂しいよ」

ひかる「え、急に素直にならないでよ」

『たまにはいいでしょ』

最後くらいはね。理佐の件もあってあまり生徒とは関わらなかったけど、ひかるちゃんは特別。
まぁこういう気持ちがあの出来事を生んじゃったんだろうけど


ひかる「あっそうだ。前にさ忘れられない恋したことあるって質問したじゃん?」

『そうだっけ?』

ひかる「したの!それでひとり先生に合わせたい人がいてさ」


ひかるもついに大切にしたい人が見つかったのかな?


ひかる「理佐入ってきていいよ」


えっ、理佐?


「お久しぶりです。由依先生」



っ、、、


『なんで、、』


ひかる「実は私理佐と幼馴染なんです。あの日あの話をしたのは理佐から話を聞いていたからで、先生の気持ちを確かめたかったから、先生さっきみたいに素直になってね。もう生徒と教師の関係じゃないんだから。じゃあ私は少し別の場所行ってます。」


情報量が多くて頭が追いつかない。


「えっと、お元気でしたか?」


こうして理佐と会えるなんて、夢みたいだ。
人生何があるかわからないな。
よそよそしく話す理佐に自然と笑みが溢れた。


『ふふ』

「うーん、あっ大学受かりました。そして高校も昨日無事卒業しました。」  

『そっか、よかった。渡邉さんも成長したんだね。』

「っ、、あとこれありがとうございました。」


理佐の手にあったのは私が移動する時にこっそりと理佐の机に置いておいた付箋だった。


「これ先生が書いたものですよね?」

『よくわかったね』

「そりゃ大好きな人の字だから、この付箋のおかげで私は頑張れたんだ。」

大好きか、

『それならよかった』

「ねぇ由依、」

『私ね弱いんだ』

「えっ、?」

理佐の言葉を遮り私は言葉を発した。
もう私たちは生徒と教師の関係ではないから、今は素直に自分の気持ちを伝えたい。

『だからあの時も何も言わずに移動した。理佐に最低なことをしてたのにそれを誤りもせず』


理佐は黙って話を聞いてくれている。


『もう理佐のことは忘れようそう思ってた。でもね無理だった。私は今でも理佐が好き。』


言ってしまった。
一度溢れてしまった想いはもう止めることができなかった。


「っ、由依、、私もずっとずっと大好きだよ。ねぇもう一度私と付き合って欲しい。今度は私が守るから」

『うん、よろしくお願いします』

「やったー」


理佐は力なく私に抱きついてきた。


「ずっとこうしたかった。」

『うん、私もだよ』



運命って本当にあるのかもなんて思っていた時もあった
けど今はそんなことどうでもいい

今はこの幸せにもう少しだけ浸っていたい。






付箋の内容


理佐へ
あなたならきっと大丈夫
自分を強く持って
そうしたらいつか叶う時が来るから





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最後までお読み頂きありがとうございます


アニラ最高でしたね
土生ちゃん卒業おめでとう


では、

またね*