今は、丁度受験期ですね。

子どもの成長というのは親御さんにとってはとても楽しみなものです。

子どもが成人するまで、或いは高校や大学を卒業するまで子どもの為に働いて立派に育て上げるぞと、頑張っておられる方も多いことでしょう。

「子どもは3歳までは思いっきり甘えさせなさい」と、カリスマ児童精神科医の故佐々木正美先生がその著書、『かわいがり子育て』や『子どもへのまなざし』などで、子どもの「自己肯定感」の大切さを説いています。

しかし、自己肯定感の大切さと「ほめて育てよ」は別物ですから混同しないようにしたいものです。

私は基本的に正しい子育てなんてないと思っていますが、明らかに、家庭で、子どもを管理教育するような育て方、また成人してまでも同じように日本流の「ほめて育てる」を実践し続けることには疑問を感じます。

 

それについて、榎本博明氏(心理学者)も、その著書『ほめると子どもはダメになる』(新潮新書) で正しい自己肯定感の育て方について詳しく書かれていますのでご紹介します。

 

この本を既に読まれた方もおられると思いますが、著者はその中で、ほめるなと言っているわけではなく、「ほめ方に問題がある」と言っていますが、これは全く同感です。

つまり、単に子どもの能力や子どもの長所をほめるのではなく、頑張り=努力をほめてあげることが大切だと言っています。

また、叱るべき時にはしっかり叱る、子どもに考えさせる叱り方が大切だと言っています。

親はついつい、感情的に子どもをしかってしまうことがありますが、きちんと子どもに向かい合っていれば感情的になったとしても子どもは自分の価値を感じることができます。それが自己肯定感の土台になります。むしろ、親子のぶつかり合いを避けること、ほめてさえいれば楽だし、自己肯定感が付くと思っていることの方が問題ではないでしょうか?

親子がぶつかり合うというのは、親が一方的に叱り飛ばしたり、自分の価値観を押し付けるということではありません。1対1で親子が真剣に向き合い、自分の価値観をぶつけながらも、何が良くて何が悪いのか、自分の頭で考えさせるように導くことです。

子どもはほめ過ぎず、正しいほめ方をすれば、ほめられなくても頑張れるようになります。そして逆境に強い子どもになります。打たれ強い子どもになります。

人生、生きていれば楽しいことばかりではありませんよね。思い通りにならないことも多いでしょう。頑張っても部活でレギュラーになれないとか、勉強をしているのに成績が上がらないとか、学校の成績はいいのに受験に失敗するとか、人生につきものの葛藤や挫折などに落ち込んでもそこから這い上がる力が付きます。厳しく育てながらも愛情を注がれた子どもは、ほめられなくても認められなくてもへこたれず、心がくじけず頑張り続ける強い心が持てます。

良く、会社でも上司が部下に「ほめて育てよ」で行けば自己肯定感が持て、仕事もスムーズに運び、問題なく服従させることができると言われますが、果たしてそうでしょうか?

ほめ方によっては逆効果になるかもしれませんね。

つまり、自己肯定感は親や周囲が与えるものではないということです。

 

子育てのゴールは、子どもが自分一人で生き抜いていけるようになることです。

 

また、日本の子育て論はアメリカの昔の子育て論を真似ていると言われていますが、そこには大きな違いがありますので、その構造や家庭環境などの違いについてもこの本は紹介していますので、是非一度手に取ってみてはいかがでしょうか?

 

本の内容紹介

頑張れない、傷つきやすい、意志が弱い。生きる力に欠けた若者たちは、欧米流
「ほめて育てる」思想の産物である。一九九〇年代に流入した新しい教育論は、
日本社会特有の「甘さ」と結びつき様々な歪みを引き起こした。「ほめても自己
肯定感は育たない」「欧米の親は優しい、は大誤解」「母性の暴走が弊害のもと」
……心理学データと調査で欧米の真似ごとを一刀両断! 
教育と人材育成に関わるすべての日本人必読の書。

はじめに
序 章 なぜ「ほめて育てる」が気になるのか
教育評論家が「叱らないで」/「寝てないから、寝させてください」
心の傷になる、トラウマになるという脅し/欧米の父性社会、日本の母性社会

第1章 「注意されることは、攻撃されること」
先生を叱る親たち/子どもや若者は逞しくなったか?/レジリエンスという力
「友だちのような母親」が第1位/失われ続ける厳しさ
父親が厳しいほど「有能になりたい」/いいお母さん=叱らないお母さん
もう通知表を信じてはいけない/「叱られることに抵抗がある」/人為的ポジティブ状態
「態度が偉そう」が「器が大きい」に?/楽しいことしかやりたくない

第2章 欧米の親は優しい、という大誤解
寝室は別、風呂も別々/厳選し切断する父性原理、やさしく包み込む母性原理
アメリカは体罰賛成が7割/日本人母子の心理的一体感/突然、怒鳴ったシンディー
「お願いだから言うことを聞いてちょうだい」
誤読してはいけない『子どもが育つ魔法の言葉』/欧米における「親と子の約束」
モラルの基本を植えつける/自由と権利の代償/「20分間正座させた」で大事件に
日本で必要なしつけとは/「親離れは申し訳ない」心理/父性を発揮できない父親たち
「友だち親子」はいますぐ止めよ/親世代の価値観崩壊

第3章 ほめても自己肯定感は育たない
始まりは自己肯定感問題/「いつ」「どのように」ほめるべきか/言語的報酬
「頭が良いね」で萎縮した子どもたち/キャリアのカオスセオリー
悲観主義者のポジティブ・パワー/虚勢、嫉妬につながる「自信」
遠藤周作が書いた母の「悲しげな眼」/人生初期の最重要課題/親は「壁」となれ
子どもの心のコーチング?/「心のケア」を日常で使うな

第4章 日本の親は江戸時代から甘かった
親たちの「嫌われたくない心理」/親が抱える心理的問題/貝原益軒の戒め
「子ども組」「若者組」の厳しさ/子どもが地域の「お客さん」に
(第5章以降の目次は【目次を見る】よりご覧ください)

内容(「BOOK」データベースより)

頑張れない、傷つきやすい、意志が弱い。生きる力に欠けた若者たちは、欧米流「ほめて育てる」思想の産物である。一九九〇年代に流入した新しい教育論は、日本社会特有の「甘さ」と結びつき様々な歪みを引き起こした。「ほめても自己肯定感は育たない」「欧米の親は優しい、は大誤解」「母性の暴走が弊害のもと」…臨床心理学データで欧米の真似ごとを一刀両断!教育と人材育成に関わるすべての日本人必読の書。と紹介されています。