秋田 命の教室 のご紹介です

**** 以下、転載 ****

これは、秋田県の動物愛護センターの前所長 坂本尚志さんが始められた『命の教室』のお話です。

動物が大好きな獣医師でもある坂本さんが 勤めてきた、秋田県動物管理センターで、
捨てられたたくさんの動物たちがここで「処分」されているという現実があり、
このつらい実態を知ってもらいたいと願ってはじめた取り組みが、「命の教室」でした。

犬や猫の気持ちを誰よりも理解し愛する職員の保坂さんと一緒に、
平成18年2006年10月から始まった
秋田県内の小学校や高校を訪問する、「命」の大切さを教える出前授業でした。

本の表紙にも書かれている、「命の教室」
そこには、動物の命だけでなく、
自分自身の命の尊さにも目を向けてほしいという、センターからの命のメッセージがあふれている。

という言葉通り、子供たち(とくに高校生)の授業では、
坂本所長みずからの若かりし頃の体験談も交えて、
自分自身の命を大切にすることは他の命をも慈しめるという、
現代人が見失いがちな大切なメッセージが込められています。

授業は1時間半ぐらいで、
最初に地元放送局が制作したドキュメンタリー
「捨てられる命 見つめ続けて」を上映し、
まず子供たち(小学校低学年~)にセンターで処分される現実をありのままに見てもらってから、命について話しをします。

小さな子どもたちはショックをうけるのですが、
その子供たちに、「かわいそう」と思うだけでなく、
自分たちにできることは何かを、言葉を選んで伝えます。

子供たちに動物の死を通して命を見つめ向き合ってもらい、
動物だけでなく自分の命も尊いのだという事を
考えてもらうための授業です。

悲しいビデオだけでなく、
生きているとはどういう事かを、
聴診器を使って、犬の心臓音をみんなにきいてもらうのです。

心臓の鼓動がドックドックと聞こえてきます。
生徒自身の心臓の音も聞いて体感してもらいます。

心臓が動いている、
会場にきて少し緊張している犬は心臓の鼓動が早まります。
生徒自身もみんなの前に出て少し緊張しているとドキドキします。

動物も人間も、同じように感情があることをわかってもらえます。

動物も自分たちと同じ生き物だというのを体験してもらうのです。

この「命」は無くしてしまったら二度と元にはもどらない、
とても尊いものだと教えます。

センターに引き取られた犬の中から、
しつけをし人に慣れたおとなしい犬をパートナー犬として連れてきて、
生徒たちに見てもらったり、触ってもらいます。

この本の表紙になっている「チョコ」と名付けられたラブラドールは、
センターに引き取られた当時、悪質なブリーダーの繁殖犬として虐待を受けたり、
可哀想な仕打ちをたくさん受けていたせいか、
怯えてうずくまり、何にも興味をしめさず、
見るからに哀れで不幸な生活してきたのがわかるほど、ひどい状態だったそうです。

職員の保坂さんたちのおかげで、チョコはとても優しい良い犬として里親にもらわれていき、
新しい飼い主さんの家では息子さんの事故死という、
つらい出来事を抱えた家族の心を癒す存在として、とても大切に飼われているのです。

チョコの話はビデオにもなり、
実際に「命の教室」にも毎回チョコが参加してくれている…という心温まるお話です。

このセンターの取り組みとして、
飼い主が終生まで犬を大切に飼ってもらえるように、
引き取りの理由にもなっている犬のしつけを教えることもしています。


◆メッセージ
犬や猫は飼い主を選ぶことができない。
殺処分される犬のようすをビデオで見て、どうか、捨てられる動物の気持ちになってみてほしい。
犬や猫にも「気持ち」がある。
そのことを忘れないでほしい。

(本より抜粋)


◆長年、坂本所長と一緒に収容動物の処分に携わってきた保坂さんは、子供たちに言います。

『わたしは38年間、処分の仕事をしてきた。
でも、慣れるなんていうことはありません。
ガス室の隣の捜査室で、このボタンを押すと犬たちが死んでしまうと思うと、
ボタンを押す手が震えてしまいます。
ボタンを押すのをためらってしまいます。
処分されるワンちゃんもネコちゃんたちを見て心が痛みます。

「助けてあげられなくてごめんね」とあやまります。
「今度生まれてくるときは、いい飼い主さんのもとに生まれてくるんだぞ。」と言葉をかけます。

そして、ワンちゃんやネコちゃんたちの最後の姿を、しっかり見届けてあげます。』

(本より抜粋)

救えない子はたくさんいるけれども、一匹でも多く救ってやりたい…

そういった思いから、保坂さんは子犬や成犬をしつけなおすのだそうです。

こうした活動が心の支えになり、充実感も感じられ、
ようやく自分の仕事に誇りを持てるようになったそうです。

年間28万頭とも30万頭ともいわれる犬猫の処分。

1日に約1000頭近くの犬や猫が全国で毎日処分されています。

どれだけセンターの職員さんが命を救うために努力しても、
たくさんの日本で生まれた犬や猫たちの不幸がいまだにあるのは事実です。

熊本のセンターでの努力は有名ですが、
その努力を知っているのはごく一部の動物を愛する人たちのみです。

マスコミや国の対応は、誠に怒りすら感じるほど貧しいものです。

多くの心優しき人々、
命の大切さを魂の奥から理解した人々、
子供や家族を愛する人々は、このままではいけないと気付いているはずです。

20年前は難しくてできなかったことも、
今ならできることもたくさんあります。

この本にあるような「命の教室」の取り組みのように、
もっと開かれた施設の在り方も、全国でご検討いただければと心から願います。

そうなれば一般市民にも広がり、
団体とも連携をとりやすくなるのではないでしょうか。

理想をいえば、
行政で愛護団体に認可制や許可制にしてもらえれば、尚活動も広がりやすいわけです。

動物を皆殺しにする国と民意、
このままでよいはずがありませんよね。


◆あんな残酷なビデオを子供に見せるなんて!!
という親がいるかもしれません。

実際にあのビデオを見てて、ショックを受けるお子さんもいることでしょう。

実際には違いました。

この本の最後に、センターによせられた子供たちの感想文が載っています。
一部を抜粋します。


『どうしてすてられたの?
どうして、どうしてなの?
かいぬしは どうおもってるんだろうね。かわいそうだね。
おとなになったら 犬を2匹かうよ。
そして だいじにそだてるよ。
ぜったい すていぬにしないよ。
学校に またきてね。
いのちを むだにしないよ。
いのちは 大切にしないといけないんだよね。
これからも いのちを大切にするよ。』
(小学校1年生)


現在、坂本所長は愛護センターを辞め、
念願の動物病院を開院しました。

そして、保坂さんは退職されましたが、
お二人の意志を継いで、「命の教室」は今も行われているそうです。

*  *  *  *  *

ガンジー
「動物の扱いをみればその国の精神性がわかる」

マザーテレサ
「愛は言葉ではなく、行動である」

動物の命を大切にできない国民性

自然を大切にできない国民性

命の尊厳を無くしてしまった人間の行く末は、地獄でしかありません。

それはやがて、国を滅ぼすことにつながるのではと思います。

この美しい日本が、
世界でいちばん動物や自然に優しい国になれる日がくることを願っています。

**** 以上、転載 ****