海苔巻。
ここのところ、海苔巻のことを考えています。
考えている時間はギュッと凝縮したら3時間くらいだけど、実質でいうとひと月ほど、海苔巻のことを考えている。
私は酢飯が好きだ。
握り寿司は格別だけれども、ちらし寿司もいなり寿司も手巻き寿司も海苔巻も、握り寿司と同じくらいにそれぞれに別格だ。
そんでねー、その中にあっての海苔巻の特別感とは何かというと、もうこれは、断面の美しさによるものであります。
おやおや、キュウリが、そして穴子が、桜でんぶが、卵焼きが!!…なんとも彩りの美しい!!
…なんていう浅はかな断面の感想ではありません。
考えてもみてください。
まるごと一本のキュウリより、キュウリの断面は美しい。
まるごと一本の穴子より、穴子の断面は美しい。
それらの断面が、一堂に会しているのですよ、海苔巻は!!
しかも、それだけではない。
皆さま、見落としてはいませんか?
もっとも美しい断面を。
海苔巻以外では滅多にお目にかかることのない、美しい断面。
珠玉の断面。
珠玉の断面、…それは、米のやつ!!
米の断面ですよ!米の断面!!
白い殻に覆われた半透明の米の内部!!
通常なら、この半透明の米の内部は、口の中で咀嚼され、陽の目を見ることなく飲み下されてしまうというのに。
嗚呼、美しき哉、米の断面。
キラキラ光る米の断面。
でね、それだけじゃないんですよ。
これらを支える立役者。
それは、海苔。
海苔はねー、とにかく湿気と断絶させられているわけですよ。
もう、パリパリ。
海苔の袋に入っている乾燥剤の袋の存在感と言ったら!!
そんな海苔がですねー、海苔巻に使われると、それはもう、酢飯の湿気で湿気っちゃって湿気っちゃって、…もう!!
しかしながら、そんな中で海苔はいい仕事をします。
その仕事とは、「ちょっと縮む」。
もうね、海苔がちょっと縮むことによって、海苔巻はなんかちょうどいい感じにギュッとなるし、そのおかげで食べやすいし、おまけに磯の香りはするし、もうね、あのね、私は海苔について考えていますよ。
極論を申し上げるならば、もはや「海苔はアイドルだ!」。
…ってことなんですが、「海苔=アイドル」論につきましては、もうちょい考えをまとめてから発表したいと思います。