今日、テレビを買って持っていった。老人ホームの母の部屋に。

孫が来るのだ。孫というのは松戸に住む私の姉の娘であって、こないだ結婚したのだけれど、このGWに岡山が実家の旦那さんを連れて祖母に会いに来るというわけであり、結婚式のDVDを持ってくるという。祖母さんの部屋にはDVD見れるもんがないというと、姉や妹がてDVDとかブルーレイとか見れるテレビくらいとっとと買ってやれという。(この孫と違って、僕がときどき連れて行く小学生は僕の孫であって祖母にとっての曾孫で、やれやれややこしい。)。

 

そもそも婆さんは新宮にいたころからもうやることといったらテレビしかなかったのだから、

こっちにきてプレザンメゾンに入って半年もよくテレビ無しで過ごせたなと彼らは言う。

 

しかし、もしも母がそのうち亡くなったら、買ってあげたいろんな家具をひきとってここを引き払って持って帰ることが

なにかとても悲しいような気がして、なんとなく気が進まなかった。テレビはホールにもあって、皆さん一緒に見ていることも多いし、部屋に閉じこもってテレビばかり見るようになったらよくないかなというようなことも考えた。施設長さんも、テレビは皆さんお持ちですが、あんまり見てないですよと言った。というか母自身が私はテレビなんか見ぬと言い張っていたのでもあった。

 

しかしながら残された人生、苦労させたお母ちゃん(兄弟は子供のころから母をお母ちゃんといってきた)に好きなだけ好きなテレビにせてあがてやってくれろ、というのはもっともな話で、単に私がケチっていたということでしかない。見ようが見まいが買ってあげよう。

 

なにしろこのたびは可愛い孫(もう30だが)が来る。そのめでたいDVDをおばあさんに見せながら孫が大切な時間を過ごしにくるということに貢献せねばならぬと考えて、けっこうお高いテレビ+DVD BLUE RAYとテレビスタンドと、ケーブルとかなんかもろもろ買って、持っていたのでした。うちにあるテレビよりでかいやつである。

 

おばあさんはそれで相撲を見るのか好きなはずと妹は言う。5月に夏場所というのが始まるのに間に合った。

 

設置に手間取ってプレザンメゾンから帰って来た。リモコンの操作ができるだろうかこの人は。

帰り際には城崎から来て入居しているお友達(なんか品の良い方で旅館の女将だったのではないだろうかと僕は思っている)と仲良く夕食の席に行きました。それぞれ歩行器と車いすで。

 

晩7時ごろ妹が電話した。7時のニュース見るから忙しいといって電話切られたという。

テレビは気に入ったようである。