『たったいま八月の冥王星で たったいま八月の地球では』 | 早野ゆかりのブログ

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    ~縁もゆかりもありますように~

テキスト:和合亮一
構成・演出:篠本賢一
劇団銅鑼公演

和合さんは福島生まれの現代詩作家。
福島で高校教師、演劇部顧問をしていらっしゃいます。

今回の作品は、出演者8名があらゆるものになりながら、観客と共に旅するお話に纏まっていました。
私も想像の翼を広げて(何処かで聞いた事あるフレーズべーっだ!)福島発、冥王星と和合さんの過去へと旅して来ました。
言葉の重さとリズミカルな文体にフワフワ浮遊したりドキッとさせられた旅でした。

公演終了後のアフタートークでは和合さんと篠本さんの意気の合った実りあるトークショーでした。
更にその後、和合さんの今回の作品
『廃炉詩編』『入道雲入道雲入道雲』他和合さんの作品お勧めサイン会がありましたI

和合さんの本は4冊持っていますが、この2冊は持っていなかったので、購入&サインもして頂きました。


二人とも満面の笑みの理由は、周りで関係者達が笑わせていたから~ニコニコ

その後、和合さんと篠本さんと出演者の三田直門さん達とで楽しい宴がありましたII


2011年3月11日、和合さんは福島の独房と化したご自宅にいらっしゃいました。刻一刻と迫ってくる目に見えない恐怖に怯え、生まれ育った福島での想い出と孤独の間で、置き去りにした社会と自分自身とを戦わせながら、ツィッターに呟き、叫び続けました。
そのフォロワーは実に二万人を越えました。

そして和合さんの呟きと叫びを篠本さんが構成して、4ヶ月後の7月に篠本さん演出で
『詩×劇   つぶやきと叫びー深い森の谷の底で』
を上演、私も参加させて頂きました。

和合さんと篠本さんは20年位前から交友を温めていらして、和合さんの現代詩を篠本さんの演出で数回上演していましたから、福島から発するSOSを見ていていたたまれなくなったのだと…。

私は、その公演で初めて和合さんと出会いました。
和合さんか紡ぐ言葉は一つ一つがじっとしていない生き物のようで、捕まえたと思って安心していたら、いつの間にかするりといなくなって、遥か雲に乗ってゆらゆら~。兎だった筈が筆箱になって天から堕ちてくる。しかし時には頑固に強靭に、てこでも動かなくなってしまう。それらが決して支離滅裂ではなくて、不思議な糸で繋がっています。俳優はそれを自在に操らねばなりません。難関です。だけど委ねられたら、何かが生まれます。
抽象的ですが、私の感じる所です。


2011年…篠本さんのお誘いのお陰で和合さんとお知り合いになった年。
その秋、私の身体に異変があり、2012年に手術しました。
入院直前、親友から連絡があり「『つぶやきと叫び~』が良かったので少人数で公演して欲しい」という内容でした。彼女は原発を考える会の代表です。
手術前不安だった私にとって、何より勇気付けられました。和合さんと篠本さんの了承を得て、出演者も17人から3人に構成し直し、退院後直ぐの公演となりました。
私が考えたタイトルは
『街を返せ!海を返せ!福島を返せ!』
この公演のお陰で、観て下さった方と友だちになれたり、又、別の会で幼稚園職員さんに観て頂いたり…と輪が拡がって行くのはとても嬉しいです。感謝です。

ご縁って…本当に有り難い。