幸せ

何だかこういうキーワードやストレスを溜めないために、とか精神論など色々ブログや本で、多方面の専門家やお医者さん、科学者などによって論じられたり書かれていたりするものが多いなぁと思う昨今。

それだけ現代人が路頭に迷ったり、ストレス過多だったり、精神疾患も多い世の中だからかな、と思います。

それが悪いとは思わないし、私も、とある言葉にハッとしたりなるほどと思ったり、思考の悪循環から抜け出せない時もあったりするので。

でも、ふととてもシンプルなことじゃないのかな、と思ったりも。

先日、映画、赤毛のアンを観てきました。

昔から大好きで、本はもちろん、昔あったまた別の映画、赤毛のアンはビデオテープも持ってる。

先日までは昔のアニメ赤毛のアンの再放送があってて毎週欠かさず見てました^_^

彼女の想像力はもちろん大好き、それが良く転ぶ時も悪く転がってしまう時もあるけど、アンの成長も素晴らしく彼女を育てるマリラとマシューの愛情も素晴らしい。

もう1800年代にモンゴメリによって書かれた物語が今でも衰えず読み継がれているのは、魅力的な登場人物だけではなくて、色褪せない普遍的なテーマがあるからなのではないか、と思います。

これを初めて翻訳した村岡花子さん。

感謝ですね。

NHKの朝ドラのモデルにもなりましたが、とても魅力的に描かれていました。

花子とアンも大好きだった！

モンゴメリの、村岡さんの訳のアンの言葉は心に響くものが本当に沢山。

NHKの100分de名著、という番組でまさに赤毛のアンが取り上げられていました。

ホロリと来ました。

掘り下げられている内容も良くて、、、

アンがマシューの死を発端に色々な境遇で、夢を諦めたか、に見えた時。

「夢のあり方が変わったのよ」とマリラに言います。

夢破れた、とか諦めた、とは明らかに違うんだな、と番組でも言ってありました。

そして「自分の未来はまっすぐにのびた道のように思えたのよ。いつもさきまでずっと見とおせる気がしたの。ところがいま曲がり角にきたのよ。曲がり角をまがったさきになにがあるのかはわからないの。でもきっといちばんよいものにちがいないと思うの。どんな新しい美しさや曲がり角や丘や谷がそのさきにあるのかそれはわからないの」と言います。

そして、本の最後、ずっとギクシャクしたようなギルバートと和解したあとにこう締めくくられます。

「アンはその夜しみじみ満足の幸福を味わいました。アンの地平線はクイーンから帰った夜でとざされました。でも道がせばめられたといっても、その道にしずかな幸福の花が咲き乱れていることをアンは知ったのでした。まじめな仕事と大きな望みとあつい友情はアンのものでした。そしてどんな力をもってしてもアンの持っている空想と夢の世界をうばうことのできるものはないのです。そして生きていく道にはいつも曲がり角があるものなのです。"神、天にしろしめす、すべて世はこともなし"とアンはそっとささやきました」

番組で、人生は上下とかじゃなく、それぞれの人生があって平凡な人生も夢や野望をかなえた人生は同じ、とモンゴメリは言いたいのではないか、と。

日々の中に幸福はある。

普通で平凡だが深い幸福のあり方を描いている。

と語ってありました。

何だか深く納得した気がしました。

ハウツー本などもストレートに書いてあり、わかりやすいけど、こういう物語の中にこそ答えが散らばっていたり、それを拾い上げることが自分の励みに励ましになったりするんだろうな、と思いました。

それを自分で咀嚼するからこそ、深く刻まれるのかなぁ。

改めて赤毛のアンの凄さと魅力とを再確認。

映画三部作の最終回がもうすぐなので、またそれも楽しみ。

幸せって自分の中にあって誰とも比べるものでないし、比べられないし、比べるから惨めな気持ちになったりする。

自分の幸せって自分のもので、それでいい、それだけでいい、大きいも小さいも関係ない、ともっともなことありきたりなこと思ったりして。

最後にもうひとつ。

アンの青春、というシリーズの中での好きなアンの言葉。

「けっきょく、一番、幸福な日というのは、すばらしいことや驚くようなこと、胸の湧きたつようなできごとがおこる日ではなくて、真珠が一つずつそっと糸からすべりおちるように、単純な、小さな喜びを次々に持ってくる一日一日のことだと思うわ」

アンから読み解く幸せ