先日細密画の展覧会で画家が克明に自分の父親の死んだ姿を描いていました。
ただ、描くだけではなく自分の顔を父親の顔と合成して描いているんですが。
死者は自己表現はしません。
でも、私たちがその姿を見るとき、何かを感じ取るわけです。
「私は自己表現なんかしない。」と言って部屋に引きこもっている人もいます。
「誰も自分のことを理解してくれないから。」と殻に閉じこもってしまっている人もいます。
私も何度もそういう時期がありました。
実際、自分の苦しみや孤独を本当に理解できる人はいないです。
でも、自分を出したくないはずなのに、人と接触を絶つことでさえも、際立った自己表現になってしまうんです。
「あなたたちは私をこんなに苦しめている！私は不満だ！」って無言の表現です。
ものすごい圧力を肌に感じますよ。
死者の姿からさえ、その意味を感じ取ろうとする人間が
生きてる人間を完全に無視するなんて、出来ないのだと思います。
何らかの意味を見つけてしまうんだと思います。
だから、無理な、とってつけた自己表現をしようとすることはないです。
何もしなくても、生きてるだけで立派な自己表現ですよ。
でも自分が変わりたければ、いくらでも変われるよ。
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