10月は風炉の最後の月。
 
「和巾点て」のお稽古をしました。
 
和巾点は名物裂(めいぶつぎれ)の古袱紗(こぶくさ)の上に同じ裂地で作られた仕覆(しくふ)に入れた中次を載せて扱う濃茶のお点前です。裏千家11代玄々斎(げんげんさい)考案のお点前です。
 
玄々斎が江戸末期、孝明天皇に献茶した際、和巾を拝領した。使用した茶銘は「龍の影」。その翌年、和巾を披露するために玄々斎が点前を復興したのが始まりとのこと。献茶の際に御所から拝領した菓子が「花びら餅」で、その後、初釜に用いられるようになったといわれているそうです。
 
中次は蓋と身の合わせ目(合口)が胴のほぼ中央にある薄茶器のことです。和巾点では桑(淡々斎好み)で作られ内は金箔された中次が使われます。または玄々斎好みで欅のものもあるそうです。
 
<準備>
塗蓋の瀬戸一重口の水指を定座に置き、その前(畳1目)に和巾(古帛紗)を広げて置き、仕服に入れた中次を乗せる。中次は、桑生地、内部は金箔張り。
茶巾、茶筅、草の茶杓を茶碗に仕込む
・唐銅の建水に竹の蓋置、柄杓を仕込む
・菓子は3種(主菓子2種と水菓子1種)
 
<点前>
・手をついて襖を開け、茶碗を運ぶ。(2手で建てつけに置く)
・続いて建水を運び、襖を閉める。蓋置、柄杓を引いて総礼。
 
・和巾を膝前に移動させる→和巾の左手前を右手でつまみ(親指が下、人差し指が上)、左手でも同じ個所をつまむ。右手の親指と人差し指の上下を入れ替え、右手で右側中ほどまで進める。
右手は小指のみが和巾下、それ以外の指で胴を押さえる(親指は手前を押さえる)。
 
(↑先輩に実践して頂きました)
 
・両手扱いで仕覆を脱がせ、両手扱いで和巾に乗せる。
 
・仕覆は火の方に打ち返し、水差しの左上に置く。
 
・中次を清め、和巾に乗せ、和巾を水差しの前(3目)に戻す。
 
・勝手付きの茶碗を2手(左・右)で点前の位置に置き、茶杓を常の様に清め、和巾の中次の左に置く。
 
・茶筅を建水の肩に置く。
 
・袱紗で水差しの蓋を清め茶巾を載せ、湯を汲み茶筅通し。
 
・中次を両手で持ち、蓋を開け、蓋を和巾の中央に。
 
茶杓を持ち、持ち直して3杓。茶杓を茶碗に預け、あとはサッと中次の中のお茶を全てあける。(回し出しはしない)
 
茶杓は清めずそのまま和巾の元の位置に戻す。
 
お茶を練り、出す。
 
・仕舞いの際、茶筅通しと茶杓の清めは省略無しで最初と同じ)
 
・拝見を請われた際、中次を和巾ごと両手で扱い、持って外炭の位置に回る。
清めて、和巾を回して環付きの場所に出し、茶杓、仕覆はそれより下げた位置に出す(茶杓・仕覆を出す際は左手をつく)
 
・拝見が終わり、問答が済むと、両手扱いで和巾を持ち、それを左手に乗せる。右手でお茶杓、お仕覆を持ち、左手の上に(付けない)