米澤 穂信さんの「王とサーカス」を読みました。


新聞社で記者をしていた大刀洗万智は、フリーの記者となり、次の季語とまでの休暇期間ネパールの首都カトマンズに訪れる。


そのネパールで国王夫妻殺し、国王親族殺しが起きた。


しかも犯人は国王の息子。

2001年に実際に起こった事件がモチーフになっているそうです。



プライベートな旅であったが、今後お世話になろうとしていた雑誌に連絡を取り、取材をする事に決める。



「王とサーカス」

メルヘンチックなタイトルからは想像もしていなかった内容でした。



ネット社会であらゆるニュースが溢れて、そこには尊厳を守る事を逡巡さえしなかったかのようなものもありますね。

記事を書くという事は、書かない事を決める事、というような文面があり、成程と唸ります。



知る事の大切さと、知らせる事の責任の持ち方。

良かれと思って伝える事が、対象者を不幸にしてしまう事もある社会記事の影響の波の変化。




埃舞うカトマンズの町。

物売りの子供たち。

同じ宿に泊まる各国の男たち。


派手では無いものの、読み進めていく毎に読み応えを感じた作品。