林 真理子さんの「大原御幸」を読みました。


凄く面白い!!!

お着物に興味の無い人は分からないけれど・・・お着物が好きな方なら、この面白さにハマると思います!!


戦後の京都。

着物の黄金時代で、お着物や帯が飛ぶように売れた時代に、天才と呼ばれるに相応しい帯の図案を書く男が居た。


その男の娘、祥子が74歳になって、父の生き様、偉大さを本に残すべく語った。


この父娘にはモデルがいるようです。

そして、父娘を取り巻く、豪華な顔ぶれは実名で書かれています。

作家の有吉佐和子さん、瀬戸内寂聴さん、平岩弓枝さん、

舞踊・歌舞伎界からは藤間勘十郎さん、藤間紫さん、市川猿之助さん、坂東玉三郎さん、

歴史上の人物では東条英機さん等。


祥子さんも日本舞踊を嗜まれ、流派は藤間流!

私も藤間流でお稽古をしていただいているので、この共通点が物凄く嬉しかったですアップ


才に溢れ、素晴らしい帯の数々を考案していった父。

京の町で、御座敷遊びを豪快にする父。

娘の自分と幾つも変わらない女性を何人も妾とする父。

娘の自分に贅の限りを尽くす父。


父の奔放な部分ですら、そういうものなのだと疑わず受け入れた祥子。

ともすると、お嬢さん育ちの自慢と父親の賞賛だけになりがちな内容を、そりが合わなくなった祥子の旦那のインタビュー内容も綴られるという内容。

面白いです!



着物から洋服に。その生活様式の変化から、苦しくなる会社経営。

着物がどんなに素晴らしいか、美しいか。

それを説いて、納得して貰っても、もう着物が日常という世の中は戻ってきませんね。


私の母は、嫁入り道具で桐の箪笥に一杯のお着物を持っていましたが、私達3姉妹は違いますしね。


お着物が好きな人にとっては、時代の移り変わりの哀愁も感じられる小説ですし、舞踊好きな方も舞台のお話に浮き浮きしますし、京のお茶屋遊びの豪快さを想像するだけで華やかな気分です!



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