百田尚樹さんの「海賊とよばれた男」を読みました。
物語は日本敗戦の日から始まる。
国民にとってそれは戦争からの解放であり、新しい生活の始まりであったが、主人公・国岡鐵造にとって苦難の道のりの出だしでもあった。
石油会社を営む国岡は、国内の石油会社組合からは異端児と見られ排斥され、外資と手を組まない事から 取引にも難航する。
官僚や政治、既得権益者との戦いも書かれており、
こういう事は 古今東西 立場を与えれば生まれるのだなぁと。
借金は膨らみ続けるが、一人の社員も馘首せず貫き通した。
世界の”7人の魔女”と呼ばれる マンモス石油会社たちと対峙する気骨。
社員を大事にするから 社員も会社を守ろうとする 家族精神。
小説ですが、搭乗する人物は全て実在するそうです。
(主人公は出光興産の創始者である出光佐三氏。国岡鐵造と名を変えて描かれています。)
こんな人が居たのかと驚愕する程 大きな人です。
人に惚れる、というのはこういう事なのかと震える程の衝撃があります。
惚れる程の人物が傍にいたからこそ出来た 人間尊重の理念
とも言えるし、
人間尊重の理念を持っていたからこそ 素晴らしい人が周りに集まった
とも言える。
信頼出来る人と仕事が出来る事は本当に幸せです。
反対に言うと 信頼出来ない人と作り出すものなんて不安しか生みません。
仕事とは何の為に行うのだろうか。
今一度 考える機会を貰える本でした。
私、今の事務所に出会えて良かったです。