夫が内緒で新築ワンルームマンションを購入し、業者にカモられかけた過去
今から、数年前のお話です。夫が、都内の某不動産投資系の会社から勧誘をうけました。「新築ワンルームマンションを購入して 不動産投資をしてみませんか?」もともとは、夫の職場に電話がかかってきたのがはじまりです。ここから長文になります。・・・ある日の午後、私が 家のなかを掃除していると見おぼえのない書類ファイルを発見。夫が無造作に置いた、厚さ5cm近くの分厚いファイルです。夫はふだんから ファイルなんて持ち歩かないような人だったのでそのファイルを見たとき、直感的に「違和感」を感じました。いわゆる「妻の勘」ってやつです。そこで、気になって中身を確認してみたら不動産関係の書類のようでした。「新築ワンルームマンションを購入して オーナーになって貸し出しすれば 将来は安定収入を得られます」という内容の書類や、サラリーマンが副業で不動産投資をはじめるコツ、大手保険会社でもマンション投資をやっている・・の新聞記事。「へぇ〜、不動産投資か。 どこでこんな資料もらったんだろう? 勉強してたのか。えらいなぁ。」と、思わず夫に感心。「働きながらコツコツ勉強して 将来は不動産投資でもやるのかな?」と、思いながらほかの書類も見てみたら・・思いもしない書類が出るわ出るわ。・売買契約書・重要事項説明書・住宅ローンの計算書や契約書・火災保険・瑕疵担保責任保険・登記の書類・賃貸管理委託に関する契約書などなど・・「買主」のところに、夫の名前が・・「えぇ!?ナニコレ!? いつの間に新築ワンルーム買ったの? コレ、どういうこと??」さっぱり、意味がわかりません・・「夫は 不動産投資に興味がある」ということまでは理解できたけど「私に内緒で物件を購入した」ということまでは、理解が追いつかず頭がまっしろになりました。「一体、どういうことなんだ・・・」「もしかして、知らないの私だけ??」「お義父さんは、知ってるのかな??」義父にも聞いてみましたが義父もまったく知らないようでした。「おれは何も聞いちゃいねーぞ!」「おい、どういうことなんだ!?」と、義父もパニック状態。帰宅した夫に聞いてみたら「不動産投資に手を出してしまった」「いつか、言おうと思ってた」と、そのときはじめて私や義父に打ちあけてくれたのでした。不動産投資の営業マンからは「確実に儲かる」と言われたようです。営業マンとは カフェで待ち合わせし4時間以上ねばられ続けその強い押しに負けてしまって結局、サインをしたらしいのです。「なんで勝手に契約してるんだよ・・」「なんで私に一言も 相談してくれなかったんだよ・・」くやしさと、なさけなさで胸がいっぱいになりました。感情的になる一方、「そもそもこれは 不動産投資なんだろうか?」という疑問・違和感も感じました。夫から事情をくわしく聞き、書類の中身をすべて確認してみたら急に不安になりました。購入した新築ワンルームマンションの住宅ローンは2500万・・毎月、家賃収入が入ったとしてもそれを上まわる返済があるので最初からマイナスです。この返済が完済するまでは手元には一円もお金が残らないよう。業者がつくってくれたシミュレーション資料によればマイナスの状態が35年つづき35年後からやっとプラスになっていくというもの・・・↓こちらが実際の資料この資料、なにかがおかしい。「毎月 −16,234円の積み立て」って・・それが 35年も続くの?月16,234のマイナスが12ヶ月だと年194,808のマイナスですよね・・ それが35年つづくのなら194,808×35年で、合計 6,818,280のマイナス。(※)しかもこのシミュレーションの資料には固定資産税とかの支払い額についてはなにも含まれていないから仮に、固定資産税が年10万だとしても35年で350万。↑さっきの ※ 6,818,280に固定資産税の350万を加えると10,318,280・・1000万以上のもマイナスです。そして、ローンを完済し終わる予定の35年後である64歳。64歳から月に66,250ずつ収入をえた場合、年間795,000の収入は入っても毎年の固定資産税の支払いがプラス。1000万以上のマイナス分が0になるのはいつなのかを考えたら・・10,318,280÷795,000=12.9=約13年35年後でもある64歳のさらに「約13年後」となると77歳。77歳になったあたりにやっとマイナス分がゼロになる計算??しかも、35年もたてば建物が古くなってきたり設備を新しいものに買い替えたりして修繕する必要が出てくるだろうし。そういう説明は、何もなかったの?修繕には費用がかかってくるだろうから大規模リフォームになると予想。そのリフォーム費用を考えたら数十万〜数百万・・・その費用、いったい誰がどこから捻出するのだ??どう考えても、きびしい・・家賃だって、ずっと同じじゃなく下がる可能性もあるし空室になる可能性だってあるし・・入居者が決まらなければそのぶん、赤字ですよ・・実際のところ、おそらく収益的にプラスになるのは64歳じゃなくて、77歳以降・・いや、もっと先かもしれない。80歳以降か・・それまで生きてられるんだろうか。今、住んでる家の住宅ローンもあるのにさらにローンが加わって二重ローン。実際に一度も物件を見ることもなく業者を信用し、たった数週間で契約した夫。不動産投資がダメとかじゃなくこの投資案件には納得できませんでした。「完全にカモられてるんじゃないか」と、不安になりました。もともと不動産投資に関しては当時、ほとんど知識がない私でしたが自分なりに調べてみたら契約したマンションがあるエリアは「液状化が起きる可能性が高いエリア」だということもわかりました。はたして、営業マンからその説明はあったのかも、疑問です。告知義務がないのかもしれませんし。東日本大震災の影響で液状化の被害を受けた知人がいて話を聞いたことがあったので液状化が起きる可能性が高いエリアだと分かっていたら自分だったらそんな物件には住むのは避けるし中古マンションとして相場より安く売られていたとしても買いたくないかな・・あまりにリスクが大きい・・そもそもなぜ、私や義父になにも相談もせず勝手に決めてしまったのか・・・業者から口止めされていたのか・・もし、営業マンの人に解約したいことを電話で伝えたとしてもおそらく拒絶してくるだろうと予想。なぜかというとカフェで4時間以上もねばり身内に内緒で契約させるとはなかなかタチが悪そうだから・・そこで、義父の知りあいの弁護士を通してもらい契約を辞退することになりました。住宅ローンや保険関係もすべて解約することとなりました。・・・もし、あのとき、私が 書類の存在に気づかず未だにずっとローンを払い続けていたと思うと数年後〜数十年後、おそろしい結末になっていたかもしれません。売りたくても売れなかったりもし、売れたとしてもほとんど値がつかなかったりでもしかしたら、将来的に数百万の損をしていたのかもです。資金に余裕のある人で不動産投資にくわしい人だったらうまくいってたかもしれませんが・・そもそも、不動産投資への知識も土地勘もない素人のサラリーマンが業者の話にまんまとのせられて手を出しちゃアカンと思うのです。不動産投資をやるなら、そして、カモになりたくなければ、「しっかり勉強してからやれ」と、思うのです。「確実に儲かる」といった「本当においしい話」があったとしたらすでに、投資家の方達に先にまわり庶民にはまわってこないはずです。当時の契約したときの資料はすべて一式、手元に残していますが、今後は、この経験をむだにせず勉強の参考資料にしようと思ってます。長文になりましたが、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。