人気バンドが忽然と消え、連続殺人発生!?
警視庁の特殊能力刑事チームが、残酷な罪を暴き出す! 大人気警察小説 いきなり文庫!

 

 

 

内容 (集英社のHPから引用)

人気バンドFOTが、松本のライブ終了後、ツアーバスごと消えた。所属事務所は密かに警察に相談。警視庁SCU(特殊事件対策班)の最上たちが担当を任された。バスは八王子で高速を降りたことが判明し、付近の捜索が始まる。だが、マネージャーの遺体が発見され……。最高の音を求めて響き合ってきた男たちが目指した夢の頂とは!? 特殊能力を持つ刑事たちが、事件の深い闇に迫る。傑作警察小説。

 

 

感想

1月の最初に読んだ「ボーダーズ」の続編

前巻は、主人公が八神だったんだけど、今回の主人公は最上

警視庁SCUの一番の若手

どうやら、このシリーズは主人公がSCUメンバーの中で変わっていくらしい

 

最初のつかみは面白かったんだけどね

人気バンドが、東京への帰京時にツアーバスごと消えてしまった

八王子インターで降りたことまではわかっているが、そこからの足取りが不明

失踪なのか、拉致なのか、事故なのか

どこが捜査するかも不明、更に所轄もはっきりしない

故に、SCUが中心になって捜査(捜索?)を仕切っていく

バイクの運転もできる最上は、KTMというバイクで林道を探索していく

 

消えたバンドFOTが所属する芸能事務所

そこの統括マネージャーである花岡舞美は、メンバーの心配、マスコミ対策など多忙な状態

最上は、舞美に好意を持ったようだけど

ここで

最上と舞美のラブに発展するとか

実は、メンバーの一人と舞美がラブとかだったなら面白かったんだけど

 

しかし、私の期待はバッサリと切り捨てられた

ツアーバスに一緒に乗っていた担当マネージャーの池沢の遺体が発見され

捜査一課が主体で捜査することに決まった

そして、バス運転手の三島が、「隙を見て逃げ出してきた」と・・・

この時点で、

これはどう考えても狂言誘拐

と、わかってしまった

 

問題は、計画を作った人間とその動機

池沢への恨みかなんかだろうけど

バンドの中の誰かが主犯!

と、半ばに推測はついてしまった

 

ここでSCUは、事件から手を引きことに

最上は、途中で手を引くことでモヤモヤ

読んでる私もモヤモヤ

 

そこに、国会議員秘書から、「脅迫状が届いた」との訴えが!

SCUは、この脅迫状の捜査を極秘に行うことに!

 

なるほど、この脅迫と、バンドの事件

どこかで結びつくわけね

 

前巻もそうだったけど、2つの事件がどこかで結び付いて

そしてある証拠をキーに

一気に犯人を追い詰めていくと流れ

 

警察小説は、謎解きミステリーとはちょっと違って

後から後からと証拠が出てきて

そして、最初の不明な部分にパーツがピッタリはまって

犯人を追い込んでいくものが多い

この小説も、その路線がしっかり継承してて

 

結局、最後は最上が取り調べで犯人に証拠や証言を見せて

自白に追い込んでいく形

もう少しひねりがあると面白いんだけど

あまりにもストレートな結果

 

ちょっと残念だったのが、犯人逮捕後の刑事達の会話で

舞美と最上の間がどうなったかがなかったこと

多分・・・・ラブに発展せずだったんでしょうけど