本当に心から申し訳ないのですが

全て廃棄しました

家にあった、布マスク



コロナ流行の初期

外出不可、接触不可のなか

世のおばちゃんたちは



家にあった布切れやゴム紐で

すごい勢いで

布マスクを大量生産して



接触不可ですから

最初は当然家族のため



それが、少しずつ

ご近所のお友達などに



「消毒済みだから」

とかなんとかで広まったりして



めちゃくちゃ頑張って

未知の病に立ち向かおうと



洋裁力をフル稼働して

布マスクを作りまくりました




それが、

ある時から



「紙マスク推奨」って

なったんですよね



使い捨てマスクの

供給が落ち着き

世の中に行き渡り始めると



どこからか、布マスクは

菌でも何でも通しちゃうとか

言われるようになり



あっという間に

紙マスクに

置き換わり



病院でも、職場でも

「紙マスク着用」と

半ば強制モード



布マスクつけてるだけで

電車のなかで

スーっと人が避けていくような



そんな雰囲気が

漂いましたっけ





私のところにも

当時大量の布マスクが

集まりました



母が作ってくれたもの

近所のおばちゃんが

ゆうちゃんに渡してって

母に託したもの



私の口は1つですが

布マスクの数は

おそらく15枚くらい



レースつけて可愛くしたり


鼻にフィットするように針金入れたり



外出できないから

手元にあるもので

何とか工夫して


少しでもおしゃれなもの

つけてて嬉しくなるものを

作ろうと



そんな想いが

溢れている

布マスクたち



正直に言うと

全部は使いきれなかった



そもそも数が多すぎるし

どうしてもつける気に

なれない柄だったり



「紙マスク強制」で

使う機会を

逸してしまったり



そんなわけで

使えなくなった

布マスクたちを



仕方なく

紙袋に積めて

しまい込みました



それが、この前

本気で忘れていた

タイミングで



箪笥の中から

出てきたわけです



改めて手に取ると

裏にガーゼをあてて

肌触りを良くしていたり



やわらかい

シフォンのような

布だったり



レースと重ねて

下の柄が透けて見える

ようにしていたり



無機質・工業生産の

紙マスクにはない



肌への優しさ

手作りの優しさ

誰かの無事を想う優しさ



心にズンっと

しみ込んで来ました



時間が経過した

布マスクたちは



黄ばみはじめていて

何度か洗濯したことで

形が崩れ



万一、再び全員マスクの

世の中になっても



再登場することは

無いことは、明白でした



母の顔

近所のおばちゃんの顔

じんわりと目の中に浮かべて



ありがとう

ありがとう

ありがとう



強く強く

心の中で唱えたあと

エイっ、と断捨離しました




かくして

我が家の布マスクたちは

いなくなりましたが



布マスクの

やわらかい優しさは

決して忘れません
















 

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