「ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣」を観た。

 

 

数々のダンスシーンにまず圧倒された。
ヌレエフの再来と謳われるのも納得だ。一目で格が違うのがよくわかる。

 

緻密で豪胆な踊りは、まさに優雅な野獣だ。

かつて野獣と呼ばれたのは、ニジンスキー、ジョルジュドン、ヌレエフ、、、そしてポルーニン。

天才ならではの孤独と意外な苦悩。
クラシックの世界の厳しさと縛り。
精神的に成長していないうちに頂点に立ってしまったことで感じる圧力。



19歳という若さで英ロイヤル・バレエ団のプリンシパルになるが、わずか2年で突然退団してしまう。
その間まるで反抗期の少年のように、タトゥーを入れたりドラッグやったり反旗をひるがえしていた。

一度はバレエを離れるも、多くの人に後押しされ、彼は家族とも和解し、復帰した。

バレエダンサーは、アスリート同様、現役生命は短い。
若い頃の身体能力のピークが自分でわかっているだけに、それ以上になることがないのは辛いことだ。
どんなに頑張ってもピークの頃のジャンプの高さは永遠ではないのだ。身体の老いは、自然の摂理だから。。

セルゲイは、ジャンプ以外にもピルエット以外にも、たくさんの魅力があり、内から湧き出てくるパッションが素晴らしく説得力がある。

セルゲイにしか表現できないコンテンポラリーダンスを、もっともっと開拓して、長く踊り続けて欲しいと切に願っている。