旅する調香師Yuka(ゆうか)です。
今日は、物語に出てくる、恋する香りを作ってみました。
高校生のときに初めて読んだ、山田詠美さんの「放課後の音符(キィノート)」。
今は装丁が違ってしまっていますが、わたしは最初に読んだ、この装丁がすき。
大人と子供の境目にある年齢の女の子たちの恋愛が描かれている短編集です。
その中の「 Sweet Basil 」という短編の中で出てくる女の子がつけている香水。
その香水の描かれ方が本当に素敵で。
すごーく憧れて、
どんな香りなんだろうっていつも想像の中でくんくん嗅いでいました。
女の子がある男の子に恋をして、
その男の子に気づいてもらうためだけに、ひっそりと纏う香り。
それに気づいた、男の子の幼馴染の女の子の視点で描かれる、淡い三角関係なのですが、
「香水」というアイテムが、少女と大人の中間というもどかしい時期の恋する気持ちを表現するために効果的に使われていて、本当に「匂い立つような」物語だと今でも思っています。
今日作ってみたのは、その女の子が纏っている香り。
その香りはきっとシャンプーや、ヘアスプレーなどの香りとは明らかに違う香りがするはず。
そして、高校生向けのライトなシトラスタイプの香りや、ライトフローラルノートの香りなんかともきっと違う、
「大人」のエッセンスが感じられる香りのはず。
でも、まだまだ子供な部分もたっぷり残ってて。
そんなイメージから、
フルーティーフローラルで、オリエンタルノートが感じられる香りにしました。
トップノートは、ベルガモットから始まって、ペアー(洋ナシ)やピーチ、スイートピーやガーデニア、ローズ、ジャスミンなどのお花の香りといったジューシーで可愛らしい感じに変わって行くのですが、
段々とオリエンタルノートが顔を出します。
少女から大人の女性への移り変わりを香りで表現した感じ。
プラトニックな恋愛だけではない微妙なお年頃の物語なので、オリエンタルノートの中に、ちょっとクセのあるシベット(獣臭)も1%だけ効かせて。
そして、隠し味(?)に、この物語に登場するハーブの香りの「タイム」も(物語のタイトルのバジルは合わなかったので断念)。
一瞬、すごーくジューシーで、軽やかな果物と柔らかなお花の香りなのだけれど、オリエンタルノートの深みを感じられて、
「ん?」と、つい、嗅ぎ込みたくなる香り。
香りはよく「フェロモン」と言われたりするけれど、
まさに恋してるときの、それも片思いの、匂い立つような雰囲気を香りにしたらこんな風かな、という香水になりました♡
恋する香りのレシピ
top
ベルガモット
ユズ
タイム
middle
スイートピー
ガーデニア
ローズ
ミュゲ
ジャスミン
イランイラン
ペアー
ピーチ
last
ナツメグ
パチュリ
バニラ(2種)
シベット
ムスク
恋したくなる
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