かなり前にね、夫と不妊治療について話した時に、

私「正直子供欲しい理由には仕事をセーブしたいからっていうのと、持たざる者側でいたくないからっていう気持ちも少しはあるよ」

って言ったんですよ。そしたら、

夫「え…それは違くない?そういう気持ちで欲しがるのは…」

って声色が明らかに非難してまして。顔はいつものポーカーフェイス

絶対そういう反応だと思ったよねー
そしてやっぱりなんか腹立つ…

私「あるよ。そういう黒い気持ち、私にだってある。あるものは否定したって仕方ない」

静かに穏やかに、しかし毅然と言いました。
夫は無言で何か考えているようでした。

その後これに関して特に何か言ってくるでもなく、いつだったか再度私からこの話を振ったら『まぁそういうこともあるよね〜』くらいの軽さになっていたので本人の中で折り合いをつけたのでしょう。

私はというと、黒い告白wの時からなんとなく

①アンディに非難されてなぜ私は腹が立ったんだろう?

②社会が女性に求める役割や責任って多岐に渡る上に多すぎだし重すぎるよな…

この2つをぼんやりと考えることが多くなりました。

まず②の方から。

私が所属するオケにはある2人の女性がいるのですが、一人は

『あの女性は働きながら子供3人もいて、あんなに綺麗なんだもんなぁ。料理もうまいらしいよ』

と男性陣に言われ、かたやもう一人は

『時間あるよね?これお願い(独身だし暇でしょ?)』

スッピン+色気のない服装+独身+子無しというだけで雑用係のように扱われています。

私はどちらとも普通に話しますし二人でご飯に行ったりもする仲なので、この二人のことは男性方よりは知っていると思うのですが私の目には前者の女性より後者の女性の方が幸せそうに見えています。

詳しくは書きませんが前者の女性はアフタヌーンティーの帰り道、重い足取りと思いつめた表情で

「毎日逃げ出したくなる」

「子供の世話だって行き届いてないのに義父の介護まで迫ってる」

「主人には良く思われてないけど、ソロ練習時間だけが心の安定剤なんだ。それまで取り上げられたら本当に病気になる。…いっそ病気になりたい」

とこぼしていました。
ご主人に相談はできないの?と言うと「言えない…もうずっとこれ(出来る嫁)で来ちゃってるし」と。

後者の女性はBTSオタクでそりゃあもう幸せそうに推しメンについて語ってますw


さて、世の中が「良い奥さん」認定する条件は、外見を保ち・仕事を持ち・子を育て・家事をこなす。この4点セットがもはや標準装備になっている気がしますが、
その具体的な中身はどうでしょう。

朝5時に起き弁当をこしらえ、
化粧をし、
身なりを整え、
子供を保育園に送り届け、
仕事に行き、
学校行事があれば有休をとり、
子供が熱を出せば有休をとり、
PTAの役員になれば有休をとり、
家に帰れば家族の食事の準備をし、
風呂を入れ乾いた洗濯物を畳み、
言うことを聞かない子供をなだめ
寝かしつけをし、
夜中に泣けばあやして
夜中にゲロを吐けば飛び起きて看病して救急医療センターに問い合わせて

ほぼ24時間臨戦態勢と言っていい状況に加えさらに、

辛い、キツイ、などの弱音を吐かず&ご主人には笑顔で接しオンナでいて&子供には強く優しいお母さんでいる。

これが「良い奥さん」の中身。
世の中の理想。

やること多すぎん??
精神的負荷が大きすぎん???



次に①の「アンディに非難されて私はなぜ腹が立ったんだろう?」について。

前出の女性(前者の方)が一度だけ義母に「子供の泣き声がストレスで…」とこぼしたことがあったらしいのですが、その時義母は「あら…でも◯◯(子供の名前)が可愛くないわけじゃないんでしょ?大丈夫よ〜、◯◯がいて幸せでしょう〜?」と困ったような顔をしたそうです。

よく「子供は本当に可愛いよ〜」というのを見聞きします。
もちろん子供は可愛いだろうし幸せな時間を過ごしていると思うのですが、オケの彼女のように幸せだけじゃない人も多いはずなんですよね。
私なんてキャパが狭いから絶対に「良い奥さん」にはなれないし「幸せ」一色ではないと断言できる。

私は彼女の義母の話を聞いて、

嫁の「子供がストレス」という気持ちを認めたくないんだなぁ。
なぜそこまで「子供=幸せ」を押し付けようとするんだろう?

と。わかるようでわからないような…うん。そんな気持ちでした。

このモヤモヤをうまく言語化できないでいたのですが、先日こんな記事を目にしてスッキリしました。

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原書の著者はイスラエルの女性社会学者オルナ・ドーナトさんという方だそう。

幸せであるはずの多数の母親が子供を生んで後悔しているという記事です。

ドーナトさんが2015年に学術誌に論文を掲載した際には、インターネット上に殺害予告が書き込まれたとか。

以下、リンク記事の抜粋です。

「もし時間を巻き戻せるとしたら、もう一度、母になりたいと思いますか?」 そう問いかけられたとき、何の迷いもなく「はい」と答えられる母親はどれほどいるだろうか──。

「子どもを持つのは間違いだった、私にとって大きな重荷だった、と口に出すのは、(最初は)難しいことでした。」

「子供が公園で転んでひざを擦りむいたら、義母から『母親が見てたのに』と冷たい目で見られ、中耳炎で病院に連れていったら『お母さん、子供の様子でわからなかったんですか?』と言われました。母親は何でも子供のことを知らないといけないの? 責められるたびに母親になったことを後悔していました」

そして以下が私が言語化できなかった部分です。
記事から引用します。

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家族に関するエッセイを手がけるエッセイスト・村井理子さんが語る。「この本では家族を“会社”に見立て、『母親=優秀な従業員』と表現していた。そこに共感しました。振り返れば、受験や入学式、卒業式など、子供の重大イベントにいるのは父親じゃなくて母親ばかり。母親がいなければ家族という組織が機能しなくなるから、『後悔』を口に出すことを許さないのでしょう。だけど後悔することは人間が生きている証です。それさえも認めないのはおかしくないですか?
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『母親』の大変さ諸共幸せという言葉で丸っと覆い被せた「子供=幸せ」の概念が覆されると、家族(組織)にとって都合が悪い。
他の誰でもない母親自身が子供のために「幸せ」でいなければならない。
オケの女性の義母は母親なんだからしっかりしなさいという意味で幸せでしょ圧をかけたんじゃないかなぁなんて。


でね、記事に出てくるお母さん方、ネガティブな気持ちはあるけどそれとは別で皆さんお子さんのことは愛しているんですよ。

別に本当に今すぐ子供を捨てるわけじゃない。
辛い、重い、私には無理、って弱音を吐きたいし、誰かにわかってもらいたいだけなんだろうなぁと。
私に言わせれば奥さんをそんな風に思いつめさせてしまう旦那が悪いですが。


で、黒い告白を非難されて腹が立った理由もわかりました。

私も罪悪感が募ったから吐き出したかっただけだったんですよね。

それに対する夫の返答が正に『子供には100%純粋な気持ちで向き合わなければならない』という綺麗事な理想だったわけで。

私へのこの理想の芽は早い段階で摘み取っておかなければ後々苦しくなるのは私だ、と本能で危険を察したのでしょう。

私「あるよ。そういう黒い気持ち、私にだってある。あるもんは否定したって仕方ないよ」
100%ピュアなんて黒くてセコい私には無理だから。と予防線を張っていたようですw


いや〜、それにしても子供生んで後悔してることを発信するだけで非難轟々あまつさえ殺害予告ってどんな世の中だよ。
やることは全うしてるんだから言うくらいいいじゃんね。子供本人に言うわけじゃあるまいし。

私は言うよ!
これからもアンディに黒い気持ちは言うし辛いキツイ言うし、よっぽど思いつめたら生まなきゃよかったくらい言うわ。
言ってやる・:*+.\(( °ω° ))/.:+


アフタヌーンティー@雅叙園流れ星