患者ユカ「またもや不安と戦ってました、ひとりで」
医者ユカ「好きだねホント」
誰が好き好んで病むか!!
医者ユカ「で?今回はどうしました?」
うん、もう34歳なのにのんびり24歳と付き合ってていいのかなって。
年齢差なんて初めからわかってた事じゃん、今言う??って感じですよね(汗)
最初はね、ドーパミン・セロトニンという脳内麻薬たちが『付き合えた!ハッピーうれピーふたりはいつまでも幸せに暮らしましたとさ☆』って大合唱してるわけ。こうなるとYUCA危機管理センターのワーカーたちも諸手を挙げて喜んで有給休暇なんかとっちゃってハワイとか行っちゃうわけよ。
つまり浮かれに浮かれてるから現実問題に目が行きにくいと。
でも段々と冷静になってきて?若葉くんの連絡無精に悩み始めた頃からかなー?薄っすら悩んでました。
『若葉くんが結婚してくれるとは限らないよ?』
『結婚を考えてくれたとしても、もし進学するとなるとあと3年は学生で、結婚は社会人になって落ち着いてからって考えるとその頃には私は42、3歳』
『子供は望めなそうね…』
『働き盛りの若葉くんが40歳過ぎの私と結婚するメリットってなんだろう…』
『若葉くんなら周りの若い子が放っておかないって』
『若葉さんの彼女、43らしい(笑)ヨユー(笑)』←若葉くんを狙う職場の子ね
『ごめん、俺、他に好きな子できた…』←職場の子に言い寄られて私に別れを告げる若葉くんね
『私なんてもう若くもないし、一生ひとりならいっそのこと…』←新小岩の線路にハラリと舞い落ちる私ね
ネガティ部 部長・ユカ現る。悩みの深刻さ全然薄っすらじゃねー´д` ;
まぁずっと思い詰めてたわけじゃなくて、ある時は『若葉くんを応援しなきゃ!』と自分を叱咤したり、ある時は『なるようになる!』と楽観的だったりもしました。
だから浮いたり沈んだりで、全体的に見ると薄っすら悩んでるねって感じでしたね。
ただ日を追うごとに不安が色濃くなってるのは確かで、素直LINEを送って図らずも『好きだよ』をゲットした少しあと、ちょっと本腰入れてこの問題と向き合わなくては、と思い始めました。
というのもね。
この頃の若葉くん、連絡無精は改善されてたし(レスは夜中だけど)、一人称が僕から俺に変わったり敬語がなくなってきたりといった微妙な変化を迎えてたんです。
これって多分、ただでさえあまり会えないのにこれ以上心理的な距離を感じさせてどうすんだという若葉くんなりの気遣いかと。
もちろんその気遣いはとっても嬉しい。幸せだなって思えます。
今は。
うん。
付き合ってていいんだろうかなんて偉そうに悩んでるんですけど、多分、付き合ってていいんだろうか云々以前にどうにかしなきゃならない問題が横たわっていて。
PMS問題よ。
若葉くんと付き合う前は『なんか気怠いなぁ』くらいだったのに今は我ながら凄まじい情緒不安定っぷりだからね。
若葉くんの折角の気遣いや、嬉しいなという私のささやかな喜びが、『本当にこのまま若葉くんと付き合ってていいの?』という不安にいとも簡単に飲み込まれ、いつか自暴自棄になって自分から関係を壊す気がしてならない。
そうなると、例えば若葉くんの連絡無精に悩んだ末に出た答えとか、まだちょっとだけど今まで積み上げてきた良いものもぜーんぶ台無しになるってことで。
付き合ってていいのかの答えも出ないまま自爆みたいな終わり方を迎えるんじゃ後悔しか残らないに決まってるし、私の人間レベルも凋落の一途を辿るってもんよ。
そうならないためにはどうしたらいい?
「いや〜、ハワイ楽しかったねー!アロハ〜」
「センター長!!!」
「えっ、なになに?てか、くらっ!電気つけてよ?どうしたの?」
YUCA危機管理センターのワーカーたちが帰国しました。
センター長「ふむふむ。なるほどね。要するに、長い目で見た場合の危機は、もう歳も歳なのに結婚できるかわからない若葉くんと付き合ってていいのかという事で、目下の危機は、制御の利かない自爆で全てを失いかねないという事だ。君たちはどう思う?」
助手A「アロハ〜♫オエ〜♫」←こいつはクビ
助手B「私はとっとと別れて結婚を視野にいれたお付き合いができる男性と付き合った方が精神的にも落ち着いて過ごせるし将来的にも良いと思います」
助手C「寝言は寝て言えよ。婚活で何人会ってきた?思い出せ。たくさん会った中でトキめいたの羽生とかいうおかしな男←ひとりだけだったろ?トキめいて、尚且つ結婚したいと思える男がそう易々と見つかるかよ」
助手D「そうね。無理矢理別れるのは性急すぎると思うわ。副作用も酷そう。若葉くんよりほんの少しユカの温度が下がればいくらか冷静になれて、目下の危機はとりあえず回避できるのでは」
助手C「確かに。好き温度が下がれば精神的にも余裕ができて『本当にこのまま若葉くんと付き合ってていいの?』の答えも見えてくるかもな」
センター長「うん、ということでユカさん、気晴らしに婚活パーティーでも行ってみたら?」
助手A「アディオース!!」
茶番はこれくらいにして、と。←
婚活パーティーかぁ。それもなんか気が進まない。だって若葉くん何も悪いことしてないし日夜頑張ってるのに彼女は隠れて婚活パーティーに行ってるって、酷い話でしょ。良心が咎めるわ。
はぁ。。。
どうしたらいいんだろう。
若葉くんが結婚を保証でもしてくれればここまで悩まないのに…
…いっそ結婚考えてるか聞いてみる?
いやいや10 個上の彼女が学生の彼氏に結婚をせっつくってさすがに正気の沙汰じゃないっていうか、自分の事しか考えてないよね。どんだけ鬼畜彼女。そんな女愛されねーw
てか、前に若葉くんに進路聞いた時、就職か進学かまだ決まってないって話してたな?
就職だったら25から社会人で落ち着くのに3年かかるとして、そしたら私がまだ30代のうちに結婚考えてみて?って言えそうだしフラれるにしてもギリギリ30代かも。
なんか不安が少しは和らぎそうよ??
よし、ひとりで悶々としてても埒あかないから、とりあえず若葉くんに進路決まったか聞こう。
若葉くんからの返信は割とすぐでした。
『このまま同じ大学で進学することになりました』
うっ、そうか…引き続き遠恋&最悪40過ぎてフラれるコースね。
…本当にこのまま付き合ってていいの?´д` ;
『あと、期間とかはまだ全然決めてないけど留学もするかも…』
うっ…!!
もうね、見えたね。未来が。
若葉くんから全然連絡が来ない!!付き合ってる意味あるの!?ってのたうちまわってる自分の姿が。
今は連絡頑張ってくれてるかもしれないけど、院の後期課程って前期より忙しいらしいんですよ。(友人談
海外行ったら時差があるから益々連絡も取りづらくなって?慣れない土地でクソ忙しくなったら絶対若葉くん、集中しちゃって彼女に連絡どころじゃないし?
そうなった時の私の心境、きっとこんなよ?↓↓
あぁ、今日も連絡こなかった。
きっと明日も明後日もこの先もずっと来ないんだ。
若葉くんへの気持ちが萎れていき、二人の関係も希薄に…。
こんなんじゃ時間の無駄ね…。
『別れよう、今までありがとうございました』
見える…!自爆する自分が見える!!!
若葉くんの一挙手一投足に振り回されるようじゃダメなのよね。
精神的にまだ安定してる今も、若葉くんの気遣いの上に成り立ってるだけで上手くいってるわけじゃない、結局若葉くんに依存してるからダメなんですよ。
若葉くんに左右されるような安定じゃ全然弱くて、もっと確固たる何か。
それが見つけられないと遅かれ早かれダメになるわ。
こう考えた私、若葉くんに『しばらく連絡を控えたい』と伝えました。
若葉くん『どうして?』
修行に出るのよ。
でも修行の最中に若葉くんから可愛いLINEなんか来ちゃったら気が緩むし、なぁなぁで終わっちゃう。
私『強くなりたい』
若葉くんから貰えなくても、そう、連絡がなくてもしばらく会えない状況になっても動じない人になりたい。
私『でも強くなれるかどうか今はわからなくて』40過ぎてフラれるのも嫌で、『このまま付き合ってていいのかどうかも冷静に考えたいから距離を置きたい』
若葉くん『わかった。』
患者ユカ「というわけでもう何日も若葉くんと連絡を取ってないんですけど、何をしたらいいかわからないんです」
医者ユカ「う、うん…(自爆したくないって言うけどそれってもう自爆じゃない…?)」
患者ユカ「どうしたら強くなれますかね?何か見つけないと、変われないと若葉くんに連絡できない」
医者ユカ「何かを見つけたいけど何をしたらいいかわからないと」
患者ユカ「はい。自爆なんかで若葉くんとダメになりたくない。強くなりたい。後悔したくない。先生、若葉くんに左右されない確固たる何かってなんだと思います?それ見つけたいんです。自分の温度を下げる事が確固たる何かになる?あと付き合ってていいのかどうかの結論も出したい」
医者ユカ「う、うん、全部一気には無理だろうし、とりあえずこもってグルグルしてても仕方ないから一旦外の空気吸えば?ハイ、これお薬」
【婚活パーティー招待券】
医者ユカ「これが吉と出るか凶と出るかわからないけど、まぁこのままいても何も変わらないから」
患者ユカ「先生」
医者ユカ「はい?」
患者ユカ「婚活パーティーに行くの、罪悪感があるのは勿論なんですけど、実のところ一番恐れてるのは、自分がアッサリ他の男性になびくんじゃないかってことなんです」
医者ユカ「…凶と出るパターンだね。でも物は考えよう。それならそれで、その程度だったって事でしょ。もういい?僕今日デートだから早く終わらせたいのよ、ハイ次の方〜」
危機管理センター助手A「最近仕事クビになって…」
数日悩みましたが結局行ってきました、婚活パーティー。久々だったわ〜。
つづく