「燕は戻ってこない」第7話

スカイキャッスル(本家)もそうなんだけど、
なんていうか、見た後めちゃくちゃ気持ちを持って行かれるドラマ。
なんとも言えない感情が渦巻く感じ。

どう考えても産んだら終わりと思えないよね、これ。

自分に母性がないから、代理母に向いてるとタカを括っていたリキだったが、
双子ゆえにつわりが重く、
「呪い」にしか感じない。
寝込んでしまい、悠子に助けの電話をするが、
基からの電話を無視してる悠子は気づかず…

結局、千味子が部屋にやってくる。
代理母という「プロ」なんだから、
「メソッド」がないといけないと言う。
一流バレリーナとして、活躍し、
息子もそう育ててきた千味子が言うから
説得力があるが、そんな徹底的に管理した生き方をしてきていない、リキは、そんな考え方があったのかと。

かいがいしく、料理を作り、妊娠にいい、サプリを渡し、「孫を産んでくれる大事な存在」として、扱われて悪い気はしないリキ。

なぜ代理母を引き受けたかの理由を千味子に話す。

着信に気づかず、姑の手を煩わせてしまったことを詫びにくる悠子に、千味子はリキのことを
「あれは違う人種」甘ったれな、
どうしようもない人間と罵倒する。

自分たちが貧しい女性を工場ように扱って
子を産ませようとしてるということを
目の当たりにて、良心の呵責に耐えきれず、
リキを罵倒する。
そして、悠子とは「加害者」の絆を感じると言う。
そう、圧倒的に、強者と弱者なのだ。
ビジネスなんかじゃない、
お金に物を言わせて、子を産ませようとしているという事実が
いかに恐ろしいことか、今更ながらに怖くなる、
千味子と悠子。

いやーすごい。
黒木瞳の感情の揺れ、
リキの預金通帳を見て、
貧しい暮らしを同情するのではなく、
自分の体を売って金にしてるとか。

それをさせてるのは貴方たちですから。
リキは、無防備で、何も考えてない。
千味子たちは、メソッドを積み重ねて、完璧な人生を作り上げてきた、全く違う人種。なんだけど、
結局同じ穴のむじな。

これまで千味子は、ほんと、優生思考の塊で
怖いわーって思ってただけだったけど、
自分を律して一点の曇りもなき
自分の人生を作り上げてきた
人種ゆえの、
倫理観や道徳観があって、
自分の人生が汚されていくと感じ、
常軌を逸した事をしてる重大さに、
今更ながら戸惑い、
リキが現れたから、こんな事になったのだと、
思い込もうとしていたが、
そうではないことに当然気づいている。

1千万は高くないとわかったわ、
産んだ後に、
消えてもらうためのお金。と。
彼女に名前は要らない、と、強烈。

原作とかなり違ってきた。
原作は千味子は、ここまで出てこないし、
部屋になんか行かない。
黒木瞳が演じてるからリアルでリアルで笑い泣き

悠子もリキが妊娠した子どもが「基の子」ではないかもしれないという秘密を抱えきれなくなり。

来週…これまた予告が怒涛の展開。

リキは
なんか嬉しそうだよね。
りり子に精神が気に入ったと、認められて、
アートの勉強を真面目にやったり。
千味子にかいがいしく世話されて、
大事に扱われて。

東京ではプラスアルファがないとダメというリキを
千味子は、生まれのせいにして努力もしないと切り捨ててたけど、私はそれはあると思う、
ほんとだもん、通えるところに実家がある人と月10万近い家賃を自分で払うのと。でも自分が好きで東京で働いてるんだからと思ってたけど、リキのようなあまりにも余裕のない暮らしでは疲弊して当然。
生まれた時から都心の豪邸に住み、バレリーナになれるような千味子には絶対わからない。

結末は原作通りになるんだろうか。
原作の結末は驚きだけど、
え?その後どうなる?って感じだったから、
できたらその後も少し描いてもらえると
いいなーなんて。

桐野夏生の小説って、途中はすごいんだけど、
結末が唐突でえ?これで終わり?ってなるのが多いんだよね。個人の感想です。←