視力悪化を防ぐ

 

この23年で右目だけ、視力が落ちていく。メガネの度を変えてもどんどん進み、右目はいつもぼやけて見にくい。メガネ屋さんで「ここまでくると度を上げていっても視力が出なくなることもあります」と言われて不安になった。

読書量も圧倒的に減り、パソコンもピアノの譜読みも苦痛になった。

 とりあえずこれ以上視力を悪化させたくないと思い、いろいろと調べてみた。


 眼の不調の原因は、眼の酷使による血流障害のようだ。

「現代人は圧倒的に、眼の運動不足である」

この言葉に出会って、ああそうだったのか。眼も筋肉で支えられていて、その筋肉を昔の人ほど動かさなくなっているのだ、と気づいた。テレビもない時代は、一ヶ所を凝視することも少なかったろうし、自然の中で暮らしていたら、近くばかり見ないでもっと遠くを見つめることが多かったに違いない。現代人は、体全体も眼も運動不足になってしまったのだ。加えてストレスによる自律神経失調や胃腸の蠕動運動が不十分なことにより、視力を落としていることが多いらしい。


 視力悪化を防ぐ対策としては、眼の運動をすること。肩凝りと同様に、長時間緊張させたままでいると筋肉が硬くなり血流が悪くなる。だから眼をぐるぐる回したり、思いっきり横や上下をにらむようにして眼の周りの筋肉をほぐす。マッサージや温湿布もよい。眼の周り、顔のツボ、また耳たぶの刺激も効果がある。それから全身の血流も大事なので、適度な運動を心がける。

 

 また、血液の質を良くすることも必要だ。食べ過ぎや甘い物の取り過ぎに気をつけること。ビタミン、ミネラルを取る、深呼吸で酸素をしっかり取り入れることも効果がある。(断食すると視力回復する)

 

 そして私にとって新鮮だったことは、メガネをかけずに裸眼で過ごすことを勧められたことだ。今まで強い度のメガネやコンタクトレンズに頼りきって生活してきたが、それは筋肉にギブスをはめたままでいるようなものだと教えられてびっくり!度の弱いメガネで生活することが眼の筋肉を緊張させすぎない方法であることさえ知らなかった。


 眼の疲れを強く感じる時は、だいたい首筋が凝っている。凝り過ぎて頭痛がしてくることもある。そんな時はゆったりとした気持ちで暮らしていない証拠だ。深呼吸したり、何も考えずにボーっとして眼や体を休ませる時間も必要だろう。

 

 私の強度の近眼は、遺伝も多少あるが、私自身が悪化させてきたことに間違いない。もっと動かすべき筋肉を緊張させたまま過ごし、本来休めるべき夜の時間までも明るい電灯の元で寝るまで酷使するような生活を重ねて来てしまった結果なのだ。そういえば、ヨーロッパで夜になると家の中の照明が薄暗くて違和感を持ったが、夜まで煌々と電気をつけて過ごす日本の方が不自然なのかもしれない。一日中パソコン相手に仕事をしなければならない人、スマホの虜になって何時間も小さな画面に目を凝らしている若者たち、これからますます眼のトラブルで悩む人が増えるだろう。

 

 今、メガネをかけている小学生が目立つ。子どもたちのまだ柔軟な筋肉は、心がけひとつで回復の可能性があるのだから、もっと社会全体で眼を守る意識を育てたいと思う。


私の場合、悪化してしまった視力は残念だが、多かれ少なかれほとんどの人が歳をとれば眼や耳の不自由を味わうのだ。今まで不自由なく暮らせてきたことに感謝して、これからは眼を労わる生き方をしようと思う。

先日、掛かりつけではない別の眼科医に検査してもらい、右目の視力悪化について相談したところ

「強度の近視の方には、白内障が重なることでどんどん悪化してしまうことがあるんですよね。白内障の手術をなさったらどうですか」

 事もなげに言われたが、白内障の手術によって悪化がくい止められる上に視力も回復できるらしいということで、何かもやもやしていたものがスッキリした。

変顔をするのも眼の筋肉に刺激になるらしい。もともと表情の乏しい日本人は、顔の筋肉をもっと使った方が眼の血流を促すことにもなりそうだ。

皆さんも、どうぞ眼を大切になさってください!