年齢が進むとともに悩ましいことの一つに、記憶力の低下があります。忘れっぽくなったという嘆きはよく聞かれることですが、私も近ごろ愕然とすることがあり、なんとか記憶力の低下をくい止める方法を捜したいと思いました。

 

 そこで気づいたことですが、物を覚えようとする努力や文字を手で書く作業が若いころに比べて格段に減っていました。

 

 それと、もともと記憶が得意ではない私は、イメージ力に欠けていたのではないかと気づきました。物事をよく覚えている人は、他のものと関連付けて覚えているようです。「○○に行ったのはいつだったかしら?」と聞くと、「屋根にこいのぼりが上がっていたから子どもの日の近辺だと思う」という具合に。

 

 どうやら記憶は苦手と決めつけずに、覚えることの楽しさを知って日常的に記憶力を使うこと、感情を豊かに動かしてイメージ力を高めることが大事なようです。感動や興奮を伴う出来事は、忘れたくても忘れられないものです。日ごろから、興味や好奇心を持ち、感情の振幅を大きく、やわらかな心でいることが脳を活性し、記憶力を保持する秘訣なのだそうです。


《記憶力を高める3つの技術》

1. 身近な物事と結び付けて覚える

 覚えようとするものを自分の知っている言葉や出来事と関連付ける。


2、よく話を聞く

   どんなことでも感心を持って人の話に耳を傾けて、自分なりの意見や考えを持つこと、それを習慣化することで記憶が定着する。


3、人に話す

   くり返すことは記憶する条件の一つ、相手にしっかり聞いてもらおうと、感情を込めて話をすることで記憶が強化する。


毎日1つずつでも何かを覚えることを、ゲームのように楽しみながら、生活の

中に取り入れてみてはいかがでしょうか。百人一首、東海道五十三次、あるいは外国語のワンセンテンスとか人の名前などを、意識的にイメージを膨らませて覚え込むようにすると、少しは記憶力がアップするかもしれません。


 心に響く言葉

   あのね、がんばんなくてもいいからさ、具体的に動くことだね

相田みつを