夫の両親が飼っていた猫、タマをきのう火葬場に葬った。


15歳まで生きたので十分だとは思う。ただ、最期がなかなかに大変だった。


昨年の秋、タマの耳の後ろが膨らんでいるので獣医に見てもらったところ、悪性ではない腫瘍とのことだった。薬をもらって飲ませて様子を見ていた。


それが今年7月頃になるとまた異常に膨らんできた。今度は悪性腫瘍、つまりガンだった。手術を受け、ごっそりと腫瘍を取り除いた。


しかし全部は取りきれなかったとのことで家に連れ帰った。


その後、傷口は治りきらず、皮膚がただれ、そこをタマが掻いてしまうので血が出る。両親は床や壁についた血を拭き取って歩くのが日課となった。


私が見かねて包帯を巻いたり、手が患部に届かないようにガードをつけたりしたが、ガンはどんどん増殖して、顔の方まで広がってきた。


先週末、ものすごい量の血が吹き出て、両親は悲鳴を上げて安楽死をさせたいと言い出した。


今、動物愛護の立場から、なかなか安楽死をさせてくれないようになった。

今まで見てもらった獣医でないとできないとのことで、その獣医さんが来る土曜の10時を待って、動物病院に夫と義母が連れて行った。


獣医も、ここまでガンが広がると、もう先は長くないし、目も見えなくなってしまう可能性があるのでやむを得ないでしょうと了承してくれた。


この一連の騒動を通して、私は人間も動物も死ぬのは大変なことだと思った。

動物も以前のように簡単には死なせてくれない。訪れる死の瞬間まで飼い主がしっかり面倒をみるべきだという考えは正論だ。だが、老夫婦が自分たちのこともままならないような状態にあって、病気のねこの看護をするのは大変なことだ。病院に連れていくのも私たち若夫婦の仕事になるし、病院代もばかにならない。経済的余裕のない老夫婦にとって、手術代、入院費用は大きかった。


だから動物は簡単に死なせてくれとは言えないが、みんなで考えていくべき問題だと思った。