音楽系の小さな冊子にヤブウォンスキというポーランドのピアニストのインタビュー記事が載っていた。共感できることが書かれていたのでご紹介したい。


現代の若者たちの演奏についての質問に答えて


「先を急ぎ過ぎているように感じます。


近道など決してないのに、どうしてそんなに急ぐのでしょう。


『最近、森に行って鳥の声を聴いたのはいつ?』と尋ねたら、怪訝な顔をされたこともあります。森の中で自然の音を聴く、静寂を聴く、体内で脈打つ鼓動を聴きながら自分の内面をのぞく・・・そうしたことが音楽ではとても大切なのにね。



コンクールで審査員たちは、コンテスタントの心の声、生きた音楽が聴きたいのです。作品を通じて、自分の言葉で音楽を語ってほしいのです。誰の真似でもない・・・・。」



技術的にすごい進化を見せる若者たちの演奏に、自信のない私は圧倒されてしまう。


でも聴衆は音楽に驚きを求めるのではなく、自分の心に共感できる感性や心の美しさ、温かさを求めるのではないだろうか。そういう演奏を目指す人が増えていってほしい。


また、私もピアニストと言うのはちょっとオコガマシイけれど、一人のピアノ奏者として心をこめて丁寧に弾いていきたいと思う。