我が家の愛犬、バンビくん、正式にはバンビーノ(男の子というイタリア語)はもうじき15歳。もうかなりの老犬だ。
15年前の10月、親類の人が、信号待ちで止まっていた車の下に入り込んだ子犬を連れて来た。その家では飼えないということでうちへ。
でも我が家でも、その1年前にかわいがっていた犬を交通事故で亡くし、もうこんな辛い思いをするのなら犬なんか飼わない、と言っていたのだった。
母が断りに行ったのと、ちょうど行き違いにその子犬を親戚の人が連れてきてしまった。
一旦見てしまうともうダメだ。その愛くるしさにまいっていまった。
しかも、その前に飼っていた犬の命日だったのだ。
「これも縁だね」
みんな納得してしまって、まだ生後9か月の娘がいて、もう一匹手のかかる子犬を飼うなんて大変だと思いつつも、もう後には引けなかった。
そうして飼い始めたバンビくん。雑種のオスで手がかからない。
とにかく丈夫で、病気もせず、大型犬のように他の犬に咬みついたりするトラブルもなく、いつもしっぽを振って出迎えてくれた。
歳の割に若々しいというのが、私たちの自慢でもあったのに、そのバンビがこのところ急によぼよぼし始めた。
庭先に糞をしたり、耳が遠くなったのか、近づいても動かなかったり・・・。
歩き方も急によろよろし始めた。足腰が弱っているようだ。
今のところ食欲もあり、散歩も喜んでいくので大丈夫だと思うが、次第に弱っていくことは受け入れなければならないだろう。
「バンビ、今まで君のおかげで家族みんな元気でいられたよ。ありがとう!まだ当分よろしくね」
そう声をかけて背中を撫でる。
今年の夏、あまり暑くないといいなあ~。ねえバンビ。