『MW‐ムウ‐』

Amazonより
手塚治生誕80周年の映画化ということらしい。
原作は未見なのですが、数ある手塚作品の中で
生誕80周年の映画にこの作品を選んだのは正解なのだと思う。
というのもこの原作、どうやら漫画ではあるものの、
勧善懲悪ではなく悪役がスポットを浴びていて、
さらに同性愛、残虐な描写、国家への問いかけ、
等々、軽々に扱えないテーマが山盛りのようなのです。
それを一つの作品に纏め上げた手塚治氏は
まさしく漫画界において最先端を走っていた偉人だった。
さて、それでは映画の方のレビューですが、
これはもう主演の玉木宏さんの映画。
徹底的にクールで狂気を孕んだ悪役を彼以外には
表現できないという領域で演じています。
山田孝之くんの神父役もあの優柔不断さはさすがです。
ただ、残念なのはこの二人の関係が
ただの幼馴染になっているところ。
というのは、玉木演じる結城を犯人と知りながら、
協力し続ける理由がよく分からない。
どうやら原作ではこの二人が同姓愛の関係なのだそう。
そうすると神父でありながらすでに神を裏切っている男が
愛する男に引きずられて罪を重ねる心情もすんなり理解できる。
それに映画としても
冒頭にタイでのアクションシーンを持ってきたため
どうしても尻すぼみの印象にならざるを得ない。
それならばいっそのこと、アクションをバッサリ切って
徹底的に心理サスペンスとして描いたほうが
玉木さんの狂気の演技が映えたと思う。
とはいえ、『MW‐ムウ‐』は面白い映画にはなっているので、
手塚ファンでない人にも見てもらいたいと思います。
最後まで読んでくださったあなたに、全てのよき事が雪崩のごとく起きます。

Amazonより
手塚治生誕80周年の映画化ということらしい。
原作は未見なのですが、数ある手塚作品の中で
生誕80周年の映画にこの作品を選んだのは正解なのだと思う。
というのもこの原作、どうやら漫画ではあるものの、
勧善懲悪ではなく悪役がスポットを浴びていて、
さらに同性愛、残虐な描写、国家への問いかけ、
等々、軽々に扱えないテーマが山盛りのようなのです。
それを一つの作品に纏め上げた手塚治氏は
まさしく漫画界において最先端を走っていた偉人だった。
さて、それでは映画の方のレビューですが、
これはもう主演の玉木宏さんの映画。
徹底的にクールで狂気を孕んだ悪役を彼以外には
表現できないという領域で演じています。
山田孝之くんの神父役もあの優柔不断さはさすがです。
ただ、残念なのはこの二人の関係が
ただの幼馴染になっているところ。
というのは、玉木演じる結城を犯人と知りながら、
協力し続ける理由がよく分からない。
どうやら原作ではこの二人が同姓愛の関係なのだそう。
そうすると神父でありながらすでに神を裏切っている男が
愛する男に引きずられて罪を重ねる心情もすんなり理解できる。
それに映画としても
冒頭にタイでのアクションシーンを持ってきたため
どうしても尻すぼみの印象にならざるを得ない。
それならばいっそのこと、アクションをバッサリ切って
徹底的に心理サスペンスとして描いたほうが
玉木さんの狂気の演技が映えたと思う。
とはいえ、『MW‐ムウ‐』は面白い映画にはなっているので、
手塚ファンでない人にも見てもらいたいと思います。
最後まで読んでくださったあなたに、全てのよき事が雪崩のごとく起きます。