『スターシップ・トゥルーパーズ3』

冒頭からかましてくれます。いきなり「今日は死に日和」熱唱ですから。
しかもそれが地球軍の総司令官。笑わしてくれます。

この映画では多くの戦争映画に見られる”自分が戦う理由”について
葛藤する人間など一人もいません。

まるで、思考停止こそが戦争を引き起こすんだと言っているようです。

今までと違って軍に反感を持つ人たちも登場しますが、
それはほんの刺身のツマ。ほとんどノイズみたいなもので、
彼らにスポットが当たることはありません。

あんな扱いだったら登場させないで、戦闘シーンの残虐さを
ただ客観的に流した方が、観客に考えさせることができただろう。

そうなんです。兵士を使い捨てにしているような地上戦。
無惨に死んでゆく兵士達。その描写もかなり残酷です。

でも、妙に中だるみして、緊迫感がないんですよねぇ。
しかもあまりにも特撮の水準が低くて、残念きわまりないです。

あと、軍隊への風刺はもとより、終盤、今回は宗教についても皮肉っています。
(自分の信じる神以外は悪だと断定するとことか。)
これは完全にネオコンというか、キリスト教原理主義批判です。

ラストがリコではなく将軍なのは、オバマ次期大統領への期待なのかなぁ。

『スターシップ・トゥルーパーズ3』は、
1作目を目指したけど、道半ばで崩れ落ちたC級映画ですね。