マイケルジャクソンが手本とした、キャブ・キャロウェイ。彼は劇場が一方的に劇を見せる場では無く、観客とのインラクティビティーを盛り込んだステージの原点の一つと言っても過言では無い。欧米、特に欧州の映画鑑賞は演劇の歴史があるので、上映中も観客は大人しくない。ロッキーホラーショー等の様な映画でも無い限り、日本では映画鑑賞中に馬鹿騒ぎがはじまる事は無いが、所謂歌舞伎の屋号や寄席等のそれに近い。しかし、それらはあくまでも客は鑑賞する側で、高座にいるものは芸人であるという、境界線があった。こうした枠を取り払い、観客も共に歌詞を口ずさみ、時には体を動かし旋律に乗るといった事で、会場全体で一つの芸を完成させるといった近代ライブ観劇の歴史は、この戦前のこの時代から既にはじまっていた。




翻って、今の日本のアイドル等の客への煽りやヲタ芸を打つ事での演者との会場での一体感や、西城秀樹コンサート等での会場でのファンによる懐中電灯点灯、又は矢沢永吉ライブでの観客によるタオルを投げながら『HA~HA~!』と叫ぶパフォーム等の元祖で本家で本舗だ。