ごきげんさまです。

ドイツの巨匠ヴィム・ヴェンダース監督、役所広司主演の映画を観て来ました。

東京の公衆トイレを掃除する人の話。出てくるトイレは日本の一流建築家などが設計した独特なセンスのトイレです。よくある公園のトイレとはかなり違います。そうは言っても、トイレを掃除する人を主人公にする監督の視点はとても良かったと思います。日本の食や、シャワートイレやトイレの清潔さは紹介されるけれど、どんなふうに掃除がされているのか、どんな人が掃除しているのか、ましてやその日常などは紹介されませんものね。

今回はトイレ掃除でしたが、巷に溢れる縁の下の仕事、かっこいい名前では呼ばれない仕事、毎日滞りなく、目立つことなく淡々となされている仕事に私たちは支えられているのだと思いました。

そして、家の中での日常の作務が自分の生活を支え、毎日繰り返されているけれど、そこに木漏れ日の光がゆらゆらと差し込むと心に幸せ感を与えるのかなと思いました。木漏れ日の光は、ちょっとした人との関わりだったり、読書だったり、木々の成長だったり、好きな音楽を聴くことだったり、お風呂に入ることだったり・・・。

一方、忙しすぎて自分の生活が崩れると、人は不幸を感じ、不機嫌になるのだと思う。いかに時間が大事なことなのか!!当たり前の日常が営まれること、何も持たないけれど幸せな日々を味わうことができる大事なこだと思いました。

ボロいけれど片付いたアパート、金持ちではないし贅沢もできないけれど、仕事があり日々生活できる幸せ、そこには、持たないけれど、心の自由があると思いました。

テレ東の「家ついて行っていいですか」や、NHKの「72時間」に共通する良い映画だったと思います。