女の古の悪あがきでしょうか・・・

日曜日、次女と電車に乗っていた時のことです。

隣に立っている次女の声が・・・。

ふっと見ると・・・

次女が目の前のチャン・グンソク似の青年に

話しかけているではありませんか！

（正確には、グンちゃんを２倍の水で薄めた感じ）

恥ずかしがり屋のくせに、

相手がカッコいい男性となると

途端に超がつくほど、積極的になる次女です。

まったく～誰に似たのかしら？（って、私か？）

そして、このグンちゃん、

ステキなのはルックスだけじゃありませんでした。

性格もとってもナイス！

次女の突然の話しかけにも、

サワヤカな笑顔で対応してくれました。

この外見に優しさ、さらに、ソフトな関西弁も加味すると、

ステキな男性偏差値、もはや東大理Ⅲレベルの域です。

イケメン相手に、次女は饒舌でした。

『このチャンスを逃してなるものか』という

次女のただならぬ意気込みが

内容盛り沢山の会話からも読み取れます。

次女、ますます張り切って喋りまくりです。

そんな次女を見て、グンちゃんは言いました。

『私に興味を持ってくれた！！』

次女の『よっしゃ！』という心の叫びが聞こえてくるようでした。

そして、最近覚えたお得意の台詞。

『ちょっと私大人でしょ？』的自己アピールも怠りません。

『今度はあなたのこと教えてよ～』と言わんばかりに

熱い視線を送ることも忘れない。

ここで、次女は大いに悩んでいました。

１００円あれば、

スーパーのレジ横で売られているお菓子が買える。

そのことは、なんとか理解できているようになった次女ですが、

１０００円となると、その価値がまったく理解できない。

それと同じように、

自分と近い年齢の子なら、なんとか察しがつくものの、

このくらい年齢が離れてしまうと、

まったく予想がつかないようです。

そして、暫く考えた末・・・

大きな声で言った答えは？

他の乗客の皆さんが、無関心を装いながら、

激しく肩を震わせているのがわかりました。

９才と言われたグンちゃんもびっくりです。

さっきから、私は２人の会話を横で聞くことに専念してました。

なぜかって？

楽しそうに会話に加われば、

「子供をダシにイケメンと話す鼻の下を伸ばしたおばさん」

そう周囲に思われるのが怖かったからです。

でも、ここで初めて口を挟みました。

そう言うと、グンちゃんは何を思ったのか

こんなことを口にしたではありませんか！

うちの夫と・・・？

グンちゃんは知らないのでしょうか？

世の中には、こんなに小さな子がいても

若くない父親だっているということを・・・。

母親もしかり・・・。

もう周りにどう思われても構いません。

ここは、ひとつ口を挟みまくってでも、

この会話の流れを変えるべきよね？

ところが、時すでに遅し！！！！

父親と年齢が同じということに、興奮して喜んでいる。

やっぱり、次女、年齢というもの、

まったくわかっちゃいないのね・・・！

言われた方のグンちゃんは、かなり動揺している様子。
まぁ、それもしかたありません・・・。

そして、動揺している女の古がここにも1人・・・。

この年齢当てゲームが、

いつ自分の身に降りかかってくるか気が気じゃありません。

ところが、神様は、いたのですね。

ホッとするグンちゃん。

そして、心の底からホッとしている女の古がここにも・・・。

ところが、安心したものつかの間でした。

また次女が余計なことを話し始めたじゃありませんか！

『竜ちゃん、パパの誕生日で止めておいてね！

お願いよ、ママにはノ―　タッチよ！』

でも・・・

思わず声が裏返ってしまいました。

『頼む！　竜ちゃん！

誕生月でとどめておこうね！！』

ところが・・・

子供って・・・

なんでこんなに無邪気なんでしょうか・・・涙

そして、

子供って・・・

どうしていつも余計なことばかり口にするの・・・号涙

ね、ママ～！！

　　そうだよね～

そ、そうよ・・・、ママは４５歳・・・。

あなたの言っていることもは正しいわ・・・。

でもね、竜ちゃん・・・

わかってちょうだい。

ママだって、女の古よ。

通りすがりのグンちゃんに、

実年齢なんか知られたくなかった・・・。

でも、バレたからには仕方がないわ。

私は気を取り直して言いましたよ。

なぜか、ねえねに力が入ります。

自分でも情けなくなるけど、

こういう時、

私はなぜか４５歳の言い訳に、上に中学生の娘がいて～の

アピール作戦に出たくなるのです。

それは、体重が２キロ増えた言い訳を

これに似た非常にみみっちい悪あがきだとはわかっていても・・・。

さぁ、グンちゃん、聞いて頂戴！

「お姉ちゃんはいくつなん？」って。

ところが！！

グンちゃんが「お姉ちゃんは・・・」と言いかけたその時です。

なんてことよ！

電車のドアが閉まるメロディーがホームに流れ始め・・・

私は肝心なことを言えぬまま

次女を小脇に抱え、

電車を飛び降りる羽目になったじゃないのーーーー！！

電車のドアは無情にもピシャリと閉まり・・・

グンちゃんを乗せた電車はゆっくりと進み始めました・・・。

ホームに残された女の古は・・・

大きな声で叫んでいました。

その声は、電車の音にかき消され、

グンちゃんの耳には届きません・・・。

そうわかっていても、

女の古は叫ばずにはいられなかったのです。

なぜなら、

それが女の古というものなんですよ・・・

　　　　　　　　　　　　　　ガタンゴトンガタンゴトン～

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ミュージカル「アニー」の歌の中で、自分を捨てたまだ見ぬ両親を想う歌があって、『若くて～素敵な～ 笑顔優しい人達～』って歌詞があるんだけど、いつもこれを聴くたびに、もしアニーが私の娘（次女）だったら、私が会いに行ったらどう思うのかしら？と思うのです。そして、アニーに対して、「ステキな笑顔優しい人たちを想像するのはいいけど、若くて～と決めつけない方がいいわよ！」なんて大きなお世話でアニーにアドバイスしたくなる私です。

次女は幼稚園でも「ママは４５歳～」と公言してくれちゃうんだけど、それは年齢なんか関係ないわということなのか？　いいえ・・・たぶん、年齢というものをわかっちゃいない。でも、いつか親の年齢を答える時「うちには大きなお姉ちゃんがいて・・・」なんて前置きされるのも、なんだか複雑な気分だけど・・・。